同じ仕様の IoT デバイスを複数の国や地域へ出荷する場合は、製造時に固定する要素と、出荷後に選択または変更する要素を分けて設計します。このページでは、カード型 IoT SIM、基板実装型の embedded Subscriber Identity Module (eSIM)、通信モジュールに統合された integrated Subscriber Identity Module (iSIM) を、IoT SIM のフォームファクターおよび実装形態として扱います。一方、SGP.32 は、IoT 向けの Remote SIM Provisioning (RSP) の技術仕様です。Universal Integrated Circuit Card (UICC) は、セルラーネットワークの認証に使う SIM の機能を保持するハードウェアです。embedded UICC (eUICC) は、RSP によるプロファイルの遠隔管理に対応する UICC です。eSIM や iSIM を採用しただけでは、eUICC や SGP.32 に対応するとは限りません。
出荷後の回線選択には、少なくとも「有効なサブスクリプション内で Public Land Mobile Network (PLMN) を選択する」「複数のサブスクリプションから IoT SIM 内のルールに基づいて選択する」「デバイスからサブスクリプションを手動で選択する」「利用者がプロファイルを追加して有効化する」という異なる仕組みがあります。このページでは、PLMN Selection、サブスクリプションコンテナ、Connectivity Hypervisor の管理単位と選択条件を比較し、製造から利用終了までの設計順序を整理します。
設計時は最新の提供条件を確認する
利用できるサブスクリプション、プロファイル、国や地域、対応モジュール、料金、申請条件は変更される可能性があります。設計を確定する前に、関連する SORACOM ドキュメント で最新情報を確認してください。
このページが役立つケース
次のような設計課題がある場合に役立ちます。
- 同じ仕様のデバイスを複数の国や地域へ出荷し、仕向地ごとに使用する回線を変える。
- 長期間のローミングに関する規制や契約条件に備え、現地向けサブスクリプションへ変更できる余地を残す。
- 出荷時点では利用国や用途が決まっていないため、利用開始後に通信プロファイルを選択する。
- IoT SIM の実装形態、eUICC への対応、SGP.32 によるプロファイル管理を分けて判断する。
- PLMN Selection、サブスクリプションコンテナ、Connectivity Hypervisor のどれを使うか判断する。
- 予備回線を用意する場合に、プロファイル変更と即時の回線切替を混同せずに設計する。
管理単位を分ける
「回線を変える」という表現だけでは、何を変更するのかが明確になりません。設計時は、次の単位を分けます。
| 単位 | 意味 | 主に決める時期 | 変更方法 |
|---|---|---|---|
| IoT SIM の実装形態 | カード型 IoT SIM、基板実装の eSIM、通信モジュールに統合された iSIM など、UICC の機能をデバイスへ実装する形態 | デバイス設計、部品選定、製造工程 | カード型 IoT SIM は交換できる。基板実装の eSIM や iSIM は物理的に交換できない |
| eUICC | 複数のプロファイルを保存でき、RSP による遠隔管理の対象となる UICC | IoT SIM や通信モジュールの選定時 | 実装形態とは別に、対応する RSP 仕様と管理サービスを確認する |
| プロファイル | 1 つ以上のサブスクリプションと、International Mobile Subscriber Identity (IMSI) や認証情報などをまとめた単位 | 初期設定時または出荷後 | Connectivity Hypervisor で追加、有効化、解約する |
| サブスクリプション | plan01s や planX1 などの回線契約。利用できる国や地域、通信キャリア、料金などを決める | 契約時または追加時 | サブスクリプションコンテナで追加するか、対象のプロファイルを追加する |
| PLMN | 通信キャリアが運用するモバイルネットワークの識別単位 | デバイスがネットワークへ接続するとき | 有効なサブスクリプションの条件に基づいてデバイスが選択する |
| IoT SIM のステータス | active、standby、suspended など、通信可否や料金に関係する回線状態 | 製造、在庫、利用開始、休止、終了の各段階 | SIM 管理画面、SORACOM Application Programming Interface (SORACOM API) などで管理する |
Connectivity Hypervisor とサブスクリプションコンテナを組み合わせる場合は、プロファイル、サブスクリプション、PLMN の順に管理単位を分けます。Connectivity Hypervisor 対応 IoT SIM のデフォルトプロファイルでは、次の順序で考えます。
Connectivity Hypervisor で、通信に使うプロファイルを有効化します。
有効なデフォルトプロファイル内で、サブスクリプションコンテナの方式に応じてサブスクリプションを選択します。
- planNT1 を追加していない構成では、IoT SIM 内のアプレットが PLMN マッピングと優先順位のルールに基づいてサブスクリプションを選択します。
- planNT1 を追加した構成では、セルラーを含むサブスクリプションの自動切替が無効になります。デバイスから AT コマンドを実行し、使用するサブスクリプションを選択します。
選択されたサブスクリプションで、PLMN Selection によって接続先の通信キャリアが決まります。
IoT SIM のステータスは、この選択順序とは別に管理します。Connectivity Hypervisor でプロファイルを無効化しても、そのプロファイルに含まれるサブスクリプションのステータスは自動的には変わりません。
要件から選択方式を比較する
| 要件 | 主な仕組み | 選択する単位 | 誰が選択するか | 主な制約 |
|---|---|---|---|---|
| 有効なサブスクリプションで接続可能な通信キャリアを選ぶ | PLMN Selection | PLMN | デバイスが IoT SIM やネットワークから得た情報に基づいて選択する | 最も電波が強い通信キャリアが必ず選ばれるわけではない |
| IoT SIM 内のルールに基づいてサブスクリプションを使い分ける | サブスクリプションコンテナ (planNT1 を追加しない構成) | サブスクリプション | IoT SIM 内のアプレットが PLMN マッピングと優先順位に基づいて選択する | 選択ルールは組み合わせによって異なる。利用者は任意に選択できず、追加サブスクリプション単体では解約できない |
| 衛星通信を含む planNT1 とほかのサブスクリプションを使い分ける | サブスクリプションコンテナ (planNT1 を追加した構成) | サブスクリプション | デバイスから AT コマンドを実行して手動で選択する | planNT1 を追加すると、セルラーを含むサブスクリプションの自動切替が無効になる。利用申請と対応デバイスが必要 |
| 仕向地や用途が決まったあとに、利用者が通信契約を選ぶ | Connectivity Hypervisor | サブスクリプションを含むプロファイル | 利用者がユーザーコンソール、SORACOM Command Line Interface (SORACOM CLI)、SORACOM API から選択する | 対応 IoT SIM、対応モジュール、事前申請が必要。操作は非同期で即時には反映されない |
| 通信障害時に別の回線へ短時間で切り替える | 複数の IoT SIM、通信モジュール、ネットワークインターフェースなど | 独立した通信経路 | デバイス、ゲートウェイ、ルーターなどの切替処理 | 障害検知、ルーティング、セッション再確立、再送を別途設計する |
サブスクリプションコンテナと Connectivity Hypervisor は、どちらも 1 つの IoT SIM で複数のサブスクリプションを扱う仕組みです。ただし、管理単位と選択主体が異なります。サブスクリプションコンテナでは、IoT SIM 内のルール、または planNT1 を追加した場合の AT コマンドでサブスクリプションを選択します。Connectivity Hypervisor では、サブスクリプションを含むプロファイルを利用者が選択します。
eSIM / iSIM と SGP.32 を別の軸で決める
eSIM や iSIM を採用しただけでは、出荷後に SGP.32 でプロファイルを変更できるとは限りません。IoT SIM の実装形態、eUICC への対応、RSP 仕様、管理サービスを分け、使用する IoT SIM と通信モジュールの組み合わせで確認します。
| 判断軸 | 選択肢 | 設計で確認すること |
|---|---|---|
| IoT SIM の実装形態 | カード型 IoT SIM、eSIM、iSIM | サイズ、耐振動性、交換可否、製造工程、部品在庫、通信モジュールとの組み合わせ |
| RSP の対象となる UICC | eUICC | 保存できるプロファイル、対応する RSP 仕様、初期プロファイルの提供方法 |
| 遠隔プロファイル管理 | SGP.32 などの RSP 仕様 | 管理主体、プロファイルの追加・有効化・解約方法、対応する IoT SIM とサービス |
| SORACOM での管理 | Connectivity Hypervisor | 申請、対応 IoT SIM、対応モジュール、利用可能なプロファイル、操作時間、料金 |
基板実装の eSIM や iSIM は物理的に差し替えられないため、どの段階で初期の回線情報を書き込み、出荷後の変更に何を使うかを製造工程の前に決めます。通信モジュールへ iSIM を統合する場合は、モジュール出荷前に回線情報を用意する方法と、デバイス出荷前に用意する方法で、在庫、リードタイム、変更可能な時期が変わります。
製造から運用までの設計順序
1. 利用国と通信要件を整理する
利用する国や地域ごとに、対応する通信キャリア、周波数帯、Radio Access Technology (RAT)、通信量、音声や Short Message Service (SMS) の要否、料金、長期間のローミングに関する法令や契約条件を確認します。
現地の通信キャリアの回線が必要でも、そのサブスクリプションやプロファイルが現在提供されているとは限りません。必要な国や通信キャリアと、SORACOM から現在提供されている選択肢を照合します。
2. 製造時に固定する要素を決める
IoT SIM の実装形態、eUICC への対応、通信モジュール、アンテナ、対応周波数帯、SIM Tool Kit 対応、デバイス認証を決めます。これらは、プロファイルを遠隔変更しても補えません。たとえば、変更後のサブスクリプションが使用する周波数帯に通信モジュールやアンテナが対応していない場合は、そのサブスクリプションへ変更しても通信できません。
3. 最初の通信経路を確保する
出荷後に回線情報を追加または変更するには、指示を受け取るための通信経路が必要です。
- サブスクリプションコンテナで追加サブスクリプションを無線経由 (Over The Air, OTA) で配信する場合は、IoT SIM を
activeかつセッションが確立した状態 (ONLINE) にします。デバイスは、SMS の送信 (SMS MO) と受信 (SMS MT)、SIM Tool Kit、現在と追加後の両方のサブスクリプションが使用する RAT と周波数帯に対応させます。 - Connectivity Hypervisor でプロファイルを追加または有効化する場合は、対象の IoT SIM を挿入したデバイスの電源を入れ、データ通信できる状態を維持します。IoT Profile Assistant in the eUICC (IPAe) が動作できるように、SIM Tool Kit 対応の通信モジュールを採用します。
- planNT1 を追加する場合は、OTA 配信の完了後に、デバイスから AT コマンドを実行して使用するサブスクリプションを選択できるようにします。
- 利用予定地域でデフォルトのサブスクリプションが通信できない場合に、追加サブスクリプションやプロファイルを配信する方法を事前に決めます。
4. 自動選択、デバイスによる手動選択、利用者による選択を使い分ける
IoT SIM 内の PLMN マッピングと優先順位のルールで要件を満たせる場合は、planNT1 を含まないサブスクリプションコンテナの組み合わせを検討します。衛星通信を含む planNT1 を追加する場合は、デバイスから AT コマンドでサブスクリプションを選択する方式を設計します。仕向地、顧客契約、用途、通信量などの条件で利用者が回線契約を選ぶ場合は、Connectivity Hypervisor でプロファイルを選択する方法を検討します。
同じサブスクリプション内で複数の通信キャリアを利用できれば要件を満たす場合は、プロファイルやサブスクリプションを増やす前に PLMN Selection の挙動を確認します。
5. 変更を実行できる時間と失敗時の扱いを決める
Connectivity Hypervisor では、プロファイルのダウンロードと有効化のそれぞれに、数分から数日程度かかる場合があります。デバイスの電源、現在の通信状態、IPAe のポーリング間隔、ネットワーク状況の影響を考慮し、変更中の通信可否、イベント履歴による完了確認、タイムアウト、再試行、現地作業が必要になる条件を決めます。
6. 料金と利用終了時の処理を決める
追加サブスクリプションや追加プロファイルは、有効な通信経路だけでなく、初期費用や基本料金にも影響します。利用しないプロファイルやサブスクリプションの料金、解約単位、デフォルトプロファイルを解約できない制約を確認します。
IoT SIM の standby や suspended などのステータスと、プロファイルの有効化や無効化は別に管理します。製造、検査、在庫、利用開始、休止、再開、終了に応じたステータス変更や大量回線の一括操作は、プロファイル選択とは別の運用設計として扱います。
方式別の設計観点
PLMN Selection: サブスクリプション内の通信キャリア選択
PLMN Selection は、有効なサブスクリプションを変更する仕組みではありません。デバイスは、最後に接続した PLMN、IoT SIM に保存されたリスト、利用可能な PLMN などを基に、接続先を探索します。
次の場合は、PLMN Selection の理解を先に進めます。
- 1 つのサブスクリプションが、利用地域で複数の通信キャリアに対応している。
- 通信キャリアを固定せず、自動選択で接続性を確保する。
- 海外移動後や長期間電源を切ったあとに、接続まで時間がかかる場合の挙動を確認する。
詳しい選択順序とデバイス実装は、マルチキャリア対応 SIM の通信キャリア選択を理解する を参照してください。
サブスクリプションコンテナ: 組み合わせごとに選択方式を確認する
サブスクリプションコンテナは、1 つの IoT SIM に追加サブスクリプションを保存する仕組みです。planNT1 を追加していない構成では、IoT SIM 内のアプレットが PLMN マッピングと優先順位のルールに基づいてサブスクリプションを選択します。単純に最も電波が強い、またはデータ通信料金が最も安いサブスクリプションを動的に選ぶ仕組みではありません。どのサブスクリプションが適用されるかは、プライマリサブスクリプションと追加サブスクリプションの組み合わせごとに確認します。
planNT1 を追加するとサブスクリプションの自動切替が無効になる
planNT1 を追加すると、セルラーを含むサブスクリプションの自動切替が無効になります。planNT1 またはほかのサブスクリプションへ切り替えるには、デバイスから AT コマンドを実行してください。
設計時は、次の点を確認します。
- プライマリサブスクリプションと追加サブスクリプションの組み合わせが対応している。
- planNT1 を追加しない場合は、PLMN マッピングと優先順位のルールに基づいて、利用国でどのサブスクリプションが適用されるかを確認している。
- planNT1 を追加する場合は、デバイスから対象のサブスクリプションを選択し、選択結果を確認できる。
- デバイスが、適用されるサブスクリプションの通信キャリア、周波数帯、RAT に対応している。
- OTA 配信時に、デバイスの電源、現在の通信経路、電波状態、SMS MO / SMS MT、SIM Tool Kit、
active、ONLINEの要件を満たせる。 - 追加サブスクリプションだけを解約できないことを、契約前に確認している。
planNT1 を追加していない構成では、追加済みサブスクリプションの選択は IoT SIM 内で行われ、デバイスの再起動やセッションの再接続は必要ありません。この動作は、追加時の OTA 配信や planNT1 の手動選択には適用されません。
Connectivity Hypervisor: 利用者によるプロファイル選択
Connectivity Hypervisor は、SGP.32 に準拠し、SORACOM Air for セルラーの IoT SIM 上でプロファイルを管理するサービスです。利用者はプロファイルを追加し、通信に使うプロファイルを 1 つ有効化し、不要になった追加プロファイルを解約できます。
設計時は、次の点を確認します。
- Connectivity Hypervisor 対応 IoT SIM を採用している。
- IPAe の動作に必要な SIM Tool Kit 対応モジュールを採用し、動作確認状況を確認している。
- 利用開始前の申請と SORACOM 側の設定を完了できる。
- 利用国や用途に対応するプロファイルが現在提供されている。
- 非同期処理の完了をイベント履歴などで確認し、完了前に次の操作へ進まない。
- プロファイルの有効状態と、サブスクリプションのステータスを別々に管理する。
- デフォルトプロファイルを解約できないことを設計条件にする。
Connectivity Hypervisor の管理操作には利用料金が発生しません。一方、Connectivity Hypervisor 対応 IoT SIM と追加プロファイルの購入には初期費用が発生し、追加済みプロファイルには状態に応じた基本料金が発生します。IoT デバイスのデータ通信と IPAe の制御通信には、有効なプロファイルに対応するサブスクリプションのデータ通信料金が発生します。
サブスクリプションコンテナと Connectivity Hypervisor を組み合わせる場合
Connectivity Hypervisor とサブスクリプションコンテナは代替関係ではありません。Connectivity Hypervisor はプロファイルを選択し、サブスクリプションコンテナはデフォルトプロファイル内のサブスクリプションを扱います。Connectivity Hypervisor 対応 IoT SIM でもサブスクリプションコンテナを利用できますが、利用できる範囲はデフォルトプロファイルに限定されます。
| プロファイル | サブスクリプションコンテナ | 選択の流れ |
|---|---|---|
| 対応 IoT SIM のデフォルトプロファイルにある plan01s または plan-US (planNT1 を追加していない場合) | 利用できる | 利用者がデフォルトプロファイルを有効化し、IoT SIM 内の PLMN マッピングと優先順位のルールに基づいてサブスクリプションが選択される |
| 対応 IoT SIM のデフォルトプロファイルにある plan01s または plan-US (planNT1 を追加した場合) | 利用できる | 利用者がデフォルトプロファイルを有効化し、デバイスから AT コマンドでサブスクリプションを選択する。セルラーを含む自動切替は無効になる |
| 追加でダウンロードした plan01s または plan-US のプロファイル | 利用できない | 利用者がプロファイルを有効化し、そのプロファイルに含まれるサブスクリプションを利用する |
| そのほかの追加プロファイル | 利用できない | 利用者がプロファイルを有効化し、そのプロファイルに含まれるサブスクリプションを利用する |
したがって、「Connectivity Hypervisor で任意のプロファイルを選び、選んだすべてのプロファイル内でサブスクリプションコンテナを利用できる」という構成ではありません。組み合わせる場合は、デフォルトプロファイル内のサブスクリプション選択と、追加プロファイルへの明示的な変更を別の運用として設計します。さらに、デフォルトプロファイルへ planNT1 を追加する場合は、サブスクリプションの手動選択をデバイス実装に含めます。
現在のサブスクリプションコンテナで確認すること
2026 年 8 月 21 日時点の公開情報では、次の条件を確認できます。
| 確認項目 | 現在の公開情報 | 設計上の扱い |
|---|---|---|
| plan01s に追加できるサブスクリプション | planP1 (日本での新規販売は終了)、planX1、planX2、planX3、plan-US-max、planNT1、planM1、planV1 | 利用国、通信キャリア、RAT、料金、適用ルール、申請条件を追加対象ごとに確認する |
| plan-US に追加できるサブスクリプション | plan-US-max、plan-US-NA (いずれも 2027 年 1 月 1 日に IoT SIM への追加終了予定)、planM1、planNT1 | plan-US の提供対象と、追加対象の利用条件を確認する |
| planP1 に追加できるサブスクリプション | planX1、planX3、planM1、planV1 のいずれか 1 つ | 日本では既存の planP1 を利用する構成に限定し、追加できる数を 1 つとして設計する |
| 日本での planP1 | 2026 年 6 月 30 日 23:59 (日本時間) に、カード型 IoT SIM、サブスクリプションコンテナ、eSIM プロファイルの新規販売を終了。既存の planP1 は継続して利用できる | 日本で新たに調達する回線には planP1 を含めない。既存回線の継続運用と移行は分けて検討する |
| plan-US-max / plan-US-NA / planP1 の終売予定 | 2027 年 1 月 1 日に、新規購入と IoT SIM への追加を終了する。既存のサブスクリプションは継続して利用でき、plan01s と plan-US の販売は継続する | 2027 年以降に新規調達または追加する構成では候補に含めず、planM1、planV1、plan01s、planX3 などの代替候補を利用地域と要件に応じて確認する |
| planM1 / planV1 | planM1 は plan01s または plan-US、planV1 は plan01s に追加できる。日本国内のお客様は事前の利用申請が必要 | 申請期間、利用国、通信キャリア、RAT、適用ルールを導入計画に含める |
| planNT1 | 利用申請後、plan01s または plan-US に追加できる。日本国内で利用する場合は、3GPP Release 17 の NTN (Non-Terrestrial Networks、非地上ネットワーク) に対応し、技術基準に適合した通信モジュールまたはデバイスが必要 | OTA 配信に加えて、デバイスから AT コマンドでサブスクリプションを選択する実装と、衛星対応地域を確認する |
終売済みまたは終売予定のサブスクリプションを新規調達候補にしない
日本では planP1 の新規販売が終了しています。また、plan-US-max、plan-US-NA、planP1 は、2027 年 1 月 1 日に新規購入と IoT SIM への追加が終了する予定です。既存のサブスクリプションは継続して利用できますが、新規調達や将来の追加を見込む構成とは分けて設計してください。
現在の Connectivity Hypervisor で確認すること
2026 年 8 月 21 日時点の公開情報では、次の条件を確認できます。
| 確認項目 | 現在の公開情報 | 設計上の扱い |
|---|---|---|
| 提供状態 | 一般提供されているが、利用開始には事前申請と SORACOM 側の設定が必要 | 導入日程に申請と設定の期間を含める |
| 対応 IoT SIM | 日本で購入できる SGR31 には plan01s のデフォルトプロファイル、米国向け SUR31 には plan-US のデフォルトプロファイルがある | 購入地域、型番、デフォルトプロファイルを確認する |
| 利用可能なプロファイル | plan01s (SGEPR33、SGR31 のデフォルト)、planX1 (SGEPR31)、planX2 (SGEPR37)、planX3 (SGEPR38、欧州地域のお客様のみ)、plan-US (SGEPR39、SUR31 のデフォルトかつ米国国内のお客様のみ) が掲載されている | プロファイル商品コード、購入地域、契約主体、利用国、用途を事前に確認する |
| 他社プロファイル | 現在の公開ドキュメントには、利用可能な他社通信キャリアのプロファイル一覧や提供条件が掲載されていない | 他社プロファイルを利用できるものとして設計しない。必要な場合は、SORACOM のセールスチーム にお問い合わせください |
| 操作時間 | プロファイルのダウンロードと有効化のそれぞれに、数分から数日程度かかる場合がある | 即時切替の仕組みとして扱わず、イベント履歴による完了確認と待機時間を設計する |
| 対応モジュール | SIM Tool Kit 対応が必要で、動作確認済みモジュールが公開されている | 採用するモジュールとファームウェアを確認する |
| 料金 | 管理操作は無料。対応 IoT SIM と追加プロファイルの初期費用、追加済みプロファイルの基本料金、IoT デバイスと IPAe のデータ通信料金が発生する | 購入時、利用中、待機中、IPAe のポーリングを含めて見積もる |
即時フェイルオーバーと分ける
Connectivity Hypervisor を即時フェイルオーバーとして扱わない
Connectivity Hypervisor のプロファイル操作は非同期です。通信断を検知した直後に別回線へ切り替える仕組みとして設計しないでください。
サブスクリプションコンテナも、通信障害や電波品質を監視して予備回線へ切り替える仕組みではありません。planNT1 を追加していない構成では IoT SIM 内のルールに基づいて選択し、planNT1 を追加した構成ではデバイスから手動で選択します。PLMN Selection を含め、アプリケーションが要求する復旧時間を保証するものではありません。
通信断から短時間で復旧する必要がある場合は、次の要素を別に設計します。
- 独立した IoT SIM、通信モジュール、Wi-Fi、有線 LAN、衛星など、複数の通信経路を用意する。
- デバイスまたはゲートウェイで、接続状態と送信成否を監視する。
- 切替条件、待機時間、再接続、Domain Name System (DNS)、セッション、未送信データの再送を決める。
- プライマリ回線へ戻す条件と、回線が切り替わり続ける状態を防ぐ条件を決める。
短時間での復旧に必要な通信経路を設計する場合は、次の表で要件に対応する記事を確認してください。
既存記事との使い分け
| 確認すること | 参照する記事 |
|---|---|
| IoT SIM のステータスごとのデバイス挙動と、通信失敗時の再試行・回復条件を確認する | 通信失敗・SIM・回復設計 |
| 1 つのサブスクリプションで、デバイスが接続先の通信キャリアを選ぶ順序を詳しく確認する | マルチキャリア対応 SIM の通信キャリア選択を理解する |
| セルラー、Wi-Fi、有線 LAN などを主回線、予備回線、オフロード回線として組み合わせる | 冗長化・オフロード戦略 |
| セルラー圏外を含む場所で衛星 / NTN を組み込む | 衛星 / NTN を含めた遠隔地の回線設計 |
製造、検査、在庫、利用開始、休止、再開、利用終了に応じて IoT SIM のステータスを変更する操作や、SORACOM API、Comma-Separated Values (CSV)、バッチ処理による大量回線運用は、サブスクリプションやプロファイルの選択とは別の運用設計です。
運用前に確認すること
運用を開始する前に、次の項目を確認します。
- 利用する国や地域、通信キャリア、周波数帯、RAT、認証、長期間のローミングに関する条件を確認している。
- IoT SIM の実装形態、eUICC への対応、SGP.32 によるプロファイル管理を別々に選定している。
- 製造時に固定する通信モジュール、アンテナ、周波数帯、SIM Tool Kit 対応を確認している。
- PLMN、サブスクリプション、プロファイルのどの単位を変更するのか決めている。
- サブスクリプションコンテナのルールに基づく選択、planNT1 の手動選択、利用者による明示的なプロファイル選択を使い分けている。
- 出荷後の変更指示を受け取るための初期通信経路と、OTA または IPAe の動作条件を確保している。
- サブスクリプションコンテナで適用されるサブスクリプション、組み合わせごとの優先順位、追加サブスクリプションだけを解約できない制約を確認している。
- 日本で planP1 を新規調達できないこと、plan-US-max / plan-US-NA / planP1 の終売予定、planM1 / planV1 / planNT1 の申請条件を確認している。
- Connectivity Hypervisor の申請、対応 IoT SIM、対応モジュール、利用可能なプロファイルを確認している。
- 非同期操作の完了確認、タイムアウト、再試行、現地作業へ切り替える条件を決めている。
- プロファイルの有効状態と、サブスクリプションのステータスを別々に管理している。
- 即時フェイルオーバーが必要な場合は、独立した通信経路とデバイス側の切替処理を設計している。
- 追加サブスクリプションやプロファイルの初期費用、基本料金、データ通信料金、解約単位を確認している。
関連する SORACOM ドキュメント
- サブスクリプションの全体像: サブスクリプションの種類
- サブスクリプションコンテナの概要と制約: サブスクリプションコンテナ (追加サブスクリプション)
- 追加サブスクリプションの申し込み: サブスクリプションコンテナ (追加サブスクリプション) を使用する
- 現在の追加対象、優先順位、デバイス要件: Soracom Air Subscription Containers (英語)
- 日本での planP1 の新規販売終了と既存回線への影響: Sales of planP1 in Japan have ended (英語)
- plan-US-max / plan-US-NA / planP1 の終売予定と既存回線への影響: End of Sales for plan-US-max, plan-US-NA, and planP1 (英語)
- planM1 / planV1 の追加先と日本での申請条件: サブスクリプションコンテナ planM1 と planV1 の提供を開始しました
- planNT1 の日本での提供条件: 衛星通信サービス (NTN) 対応の planNT1 が日本でも利用できるようになりました
- planNT1 の追加とサブスクリプションの手動選択: SORACOM Air for Satellite の設定 (英語)
- Connectivity Hypervisor の概要と提供条件: Connectivity Hypervisor とは
- プロファイルの追加、有効化、解約: Connectivity Hypervisor 対応 IoT SIM を管理する
- Connectivity Hypervisor のサービス概要: Connectivity Hypervisor
- Connectivity Hypervisor の料金: Connectivity Hypervisor の料金
- IoT SIM のステータス: IoT SIM のステータス
元記事・元資料
このページは、以下の記事・資料をもとにしています。
正確な内容や最新の情報を確認するときは、元の記事・資料もあわせて参照してください。
- SORACOM 公式ブログ: 「SGP.32」で変わる IoT 回線管理―運用負荷を減らし、“回線を選べる”世界をどう実現するのか
- SORACOM 公式ブログ: いま知っておきたい!進化する eSIM / iSIM の基礎と実装ポイント
- Speaker Deck: 「SGP.32」のニーズと可能性:運用負荷を減らし、新しい eSIM 管理を実現する仕組み
- Speaker Deck: いま知っておきたい!進化する eSIM/iSIM の基礎と実装実務
- SORACOM サービス更新情報: Connectivity Hypervisor の提供を開始しました
- SORACOM Users: Connectivity Hypervisor とは
- SORACOM サービスサイト: Connectivity Hypervisor
- SORACOM Blog: Scaling Beyond the Spreadsheet: A Case Study in Automated eSIM Lifecycle Management