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Home ドキュメント SORACOM Air for セルラー はじめに

サブスクリプションコンテナ (追加サブスクリプション)

サブスクリプションコンテナ機能は、1 つの IoT SIM に複数の 追加サブスクリプション (例: planP1、planX1) を保存できる機能です。追加サブスクリプションは、「特定の国や地域に、より最適化されたサブスクリプション」です。追加サブスクリプションを IoT SIM に保存することで、物理的に IoT SIM を交換することなく、特定の国や地域で、よりリーズナブルなデータ通信料金を利用したり、追加の通信キャリアを利用したりできます。

追加サブスクリプションが保存された IoT SIM は、デバイスが存在する国や地域に応じて、自動的にサブスクリプションが選択されます。サブスクリプションを選択するルールについて詳しくは、適用されるサブスクリプションについて を参照してください。

たとえば、上図のように plan01s と planP1 が含まれる IoT SIM は、下図のように plan01s で接続できる国では plan01s で接続され、planP1 で接続できる国では planP1 で接続されます。

追加サブスクリプションを追加すると料金が変わります

詳しくは、追加サブスクリプションの料金 を参照してください。

  • サブスクリプションコンテナに対応した IoT SIM は、SORACOM IoT SIM (plan01s) です。
  • 各サブスクリプションは、セルラーネットワークに接続するための認証情報や識別番号 (IMSI) が割り当てられています。

追加サブスクリプションの配信 (OTA) について

OTA に対応するデバイス に IoT SIM を取り付けて、追加サブスクリプションを申し込む と、数通の SMS を利用して追加サブスクリプションの情報 (「IMSI」、「国ごとに利用されるサブスクリプションを定義したテーブル」など) が IoT SIM に配信されます。これを、OTA (Over The Air) と呼びます。OTA では、現在接続できるサブスクリプション (例: plan01s に planP1 を追加するときは plan01s) が利用されます。

具体的には、以下のように OTA が実行されます。

項目説明追加サブスクリプションのステータス
準備
  1. デバイス要件 を満たすデバイスに IoT SIM を取り付け、デバイスの電源がオンの状態で、現在接続できるサブスクリプション (例: plan01s) で接続できる基地局の電波状況が安定した場所に設置します。
  2. IoT SIM の [ステータス]オンライン であることを確認します。
-
OTA の開始
  1. SORACOM ユーザーコンソールや SORACOM CLI / SORACOM API を利用して、追加サブスクリプションを申し込みます。手順について詳しくは、追加サブスクリプションを申し込む を参照してください。

    IoT SIM の [ステータス]オンライン の場合は、OTA が開始されます。

IoT SIM の [ステータス]オフライン の場合は、オンライン になったときに OTA が開始されます。

shipped
OTA の実行中デバイスの電源がオンで電波状況が安定している場合に、数通の SMS を利用して追加サブスクリプションの情報 (「IMSI」、「国ごとに利用されるサブスクリプションを定義したテーブル」など) が IoT SIM に配信されます。shipped または delivered
OTA の完了追加サブスクリプションの情報が IoT SIM に配信されると、OTA が完了します。ready
追加サブスクリプションによる接続確認

IoT SIM を利用するデバイスを、「追加サブスクリプションが利用される国や地域」に移動すると、追加サブスクリプションによるネットワーク接続が行われます。ネットワーク接続が確認されると、ステータスが非表示 (active) に切り替わります。

国や地域によって適用されるサブスクリプションは、適用されるサブスクリプションについて を参照してください。

非表示 (active)
追加サブスクリプションのステータスが shipped または ready のまま変わらないときは

追加サブスクリプションの配信 (OTA) が完了するまでに数通の SMS を送受信するため、時間がかかります。追加サブスクリプションのステータスが shipped になったあとは、ready または非表示 (active) に切り替わるまで、電波状況が良い場所でデバイスの電源を切らずにお待ちください。

電波状況が不安定な場所では、24 時間待っても追加サブスクリプションのステータスが ready または非表示 (active) に切り替わらないことがあります。そのときは、2 回目の OTA を開始できます。OTA の再試行について を参照してください。

OTA の進行状況を確認するには

OTA の進行状況は、SORACOM ユーザーコンソールの SIM 管理画面の [サブスクリプション] 欄の 2 行目に表示される 追加サブスクリプションのステータス で確認します。それ以外の判別方法はありません。

ステータスが (shipped) の例:

OTA の再試行について

ひとつの追加サブスクリプションに対して、最大 3 回の OTA が実行されます。

OTA の実行中に電波状況が不安定になったりデバイスの電源が切れたりすると、SORACOM の OTA サーバーから送信した SMS がデバイスに到達したことを確認できません。その場合は、OTA サーバーから自動的に SMS が再送されます。OTA 開始後 は OTA サーバーが SMS の送信に失敗したときは の仕様に従って SMS の再送を繰り返します (約 25 時間) が、それでも必要な情報が IoT SIM に到達しなかった場合は、「1 回目の OTA が失敗した」とみなされ、SMS の再送が停止されます。

2 回目、3 回目の OTA を実行するには、前回の OTA が開始してから 24 時間経過後に、電波状況が良い場所でデバイスを再起動してください。IoT SIM の [ステータス]オンライン になると、次の OTA が開始されます。

3 回目の OTA に失敗した場合、それ以降は OTA は実行されません。SORACOM サポートに問い合わせてください。

OTA で送信される SMS には料金が発生しません。

デバイスの要件

追加サブスクリプションを OTA で受信するには、デバイスが以下の要件を満たしていることを確認してください。

  • SMS (SMS MO/SMS MT) に対応している
  • STK (SIM Tool Kit) commands に対応している
  • デバイスを利用する国または地域での通信に必要な認証を受けている
  • 現在のサブスクリプションが対応している通信キャリアの周波数帯に対応している
現在のサブスクリプションが対応している通信キャリアに接続する必要があります

追加サブスクリプションの配信を受けるには、現在のサブスクリプションが対応している通信キャリアに接続する必要があります。

たとえば、現在のサブスクリプションが plan01s で planP1 を追加する場合は、plan01s が利用する通信キャリア (*1) に接続する必要があります。また、現在のサブスクリプションが planP1 で planX2 を追加する場合は、planP1 が利用する通信キャリア (*2) に接続する必要があります。

  • (*1) 日本国内の場合は、NTT ドコモ (3G/4G) またはソフトバンク (3G/4G) です。
  • (*2) 日本国内の場合は、ソフトバンク (3G/4G) です。
ソラコムによる動作検証済みデバイス

ソラコムによる動作検証済みデバイスは以下のとおりです。サブスクリプションコンテナを利用する場合は、プライマリサブスクリプション と追加サブスクリプションの両方に対応しているデバイスを使用してください。

モジュール

日本国内で動作確認済みの通信モジュール一覧

ドングル

デバイス動作検証済みサブスクリプション
Soracom Onyx - LTE™ USB ドングル (SC-QGLC4-C1)plan01s、planP1、planX1、planX2、planX3 で動作を確認しています。
GreenHouse GH-UDG-MCLTECplan01s、planX1、planX2 で動作を確認しています。planP1、planX3 には対応していません。
Huawei MS2372h-607 (2021-06-14 販売終了)plan01s、planP1、planX1 で動作を確認しています。planX2、planX3 には対応していません。

適用されるサブスクリプションについて

適用されるサブスクリプション (通信に利用する追加サブスクリプション) は、デバイスが存在する国や地域に応じて自動的に決定されます。追加サブスクリプションの基本的な優先順位は以下のとおりです (plan-US-max が最優先で適用されます)。

plan-US-max > planX3 > planX2 > planX1 > plan-US-max > planP1 > plan01s

以下の図は、代表的な国と地域 (Brazil、Canada など) で、サブスクリプションが適用される順序を示しています。図で上に配置されているサブスクリプションが優先的に適用されることを表します。

追加サブスクリプションの組み合わせに関する注意
  • 利用する国と地域以外の情報 (データ通信料金、電波状況など) は考慮されません。
  • ユーザーコンソールで通信に利用するサブスクリプションを選択する機能はありません。

追加サブスクリプションの適用例

例 1: planP1 のみを保存した場合

planP1 のみを保存した場合は、以下の図のように、色がついているサブスクリプションが適用されます。

例 1 の図は次のように読みます。

適用されるサブスクリプション説明
planP1

China、Myanmar、United States、Australia、日本、Laos など、planP1 が利用できる国と地域では、planP1 が適用されます。

Canada など一部の国と地域では、planP1 が利用できても plan01s が適用されます。

plan01s

Brazil、Croatia など、plan01s が利用できて planP1 が利用できない国と地域では、plan01s が適用されます。

Canada など以下の国と地域では、planP1 が利用できても plan01s が適用されます。

  • Canada、Austria、Bulgaria、Burkina Faso、Chile、Cote de Ivoire、Czech Republic、Denmark、Egypt、Estonia、Finland、France、Croatia、Ghana、Gibraltar、Greece、Hungary、Ireland、Isle of Man、Italy、Latvia、Liechtenstein、Lithuania、Luxembourg、Malta、Netherlands、Norway、Pakistan、Peru、Poland、Portugal、Romania、Slovakia、Slovenia、Spain、Sweden、Switzerland、Tanzania、United Kingdom
-Burkina Faso など、plan01s も planP1 も利用できない国と地域では、通信できません。
例 2: planX3 のみを保存した場合

planX3 のみを保存した場合は、以下の図のように、色がついているサブスクリプションが適用されます。例 2 はすこし特殊で、Canada、China 以外の国と地域では、plan01s は適用されず、通信できなくなります。

例 2 の図は次のように読みます。

適用されるサブスクリプション説明
planX3Australia、日本国内、Croatia、Burkina Faso など、planX3 が利用できる国と地域では、planX3 が適用されます。
plan01sCanada、China に限り、plan01s が適用され、通信できます。
-
  • Brazil、Myanmar、United States など、plan01s が利用できても planX3 が利用できない国と地域では、plan01s が適用されず、通信できません。
  • Laos など、plan01s も planX3 も利用できない国と地域では、通信できません。
例 3: すべての追加サブスクリプションを保存した場合

すべての追加サブスクリプションを保存した場合は、以下の図のように、色がついているサブスクリプションが適用されます。planX3 と planP1 を追加した場合もすこし特殊で、Canada 以外の国と地域では、plan01s は適用されません。

例 3 の図は次のように読みます。

適用されるサブスクリプション説明
planX3Australia、日本国内、Croatia、Burkina Faso など、planX3 が利用できる国と地域では、planX3 が適用されます。
plan-US-maxUnited States では、plan-US-max が適用されます。
planP1

China、Myanmar、Laos など、planP1 が利用できて planX3 が利用できない国と地域では、planP1 が適用されます。

Canada では、planP1 が利用できても plan01s が適用されます。

plan01sCanada に限り、plan01s が適用され、通信できます。
-Brazil など、plan01s が利用できても planX3 および planP1 が利用できない国と地域では、plan01s が適用されず、通信できません。
planX1、planX2、planX3 を同時に保存しないでください

同時に追加すると planX1、planX2 の月額料金は発生しますが、利用地域に関わらず planX1、planX2 が適用されることはありません。なお、追加サブスクリプション (たとえば、planX1) だけを解約することはできません。詳しくは、以下の「追加サブスクリプションだけを解約することはできません」を参照してください。

追加サブスクリプションだけを解約することはできません

誤って追加サブスクリプションを契約してしまった場合は、一度 IoT SIM を解約し、あらためて IoT SIM を契約してください。その後、デバイスを継続して利用する場合は、以下の点に注意してください。

  • デバイスの電源を切り、IoT SIM を差し替える必要があります。
  • SIM ID が変わるため、SORACOM ユーザーコンソールで、IoT SIM の設定をやり直す必要があります。
デバイスが、デバイスを利用する国または地域での通信に必要な認証を受けていることを確認してください
  • 日本国内で通信する場合は、デバイスが技術基準適合証明等 (技適) を受けていることを確認します。
  • 日本国外での通信に必要な認証については、お客様ご自身でご確認ください。
デバイスが、追加サブスクリプションが対応している通信キャリアの周波数帯に対応していることを確認してください

追加サブスクリプションが対応している通信キャリアは、国と地域によって異なります。以下のページを参照してください。

たとえば日本国内では、planP1 はソフトバンク、planX2 は KDDI を利用します。デバイスが KDDI の周波数帯に対応してない場合は、planX2 を追加すると日本国内ではデータ通信ができなくなります。

なお、日本国外の通信キャリアの周波数帯については、お客様ご自身で確認してください。

サブスクリプションの切り替えは、IoT SIM 内のサブスクリプションコンテナエンジンによって自動的に行われます。デバイスの再起動やセッションの再接続は必要ありません。また、任意のサブスクリプションを選択することはできません。

追加サブスクリプションの料金

追加サブスクリプションを利用する際は、以下の料金が発生します。料金について詳しくは、planP1planX1planX2planX3plan-US-max の料金表を参照してください。

項目説明
サブスクリプション追加費用追加サブスクリプション (planP1、planX1、planX2、planX3、plan-US-max) のサブスクリプション追加費用 (1 回) が発生します。
プライマリサブスクリプションの基本料金プライマリサブスクリプション (plan01s など) の基本料金 (月額) は、無料になります。
追加サブスクリプションの利用料金

追加サブスクリプション (planP1、planX1、planX2、planX3、plan-US-max) のサブスクリプション利用料金 (月額) が発生します。

planP1 を追加した場合は IoT SIM のステータスによっては無料になります

planP1 を追加して、IoT SIM のステータス を「利用開始待ち (standby)」または「利用中断中 (suspended)」に変更した場合は、追加サブスクリプションの利用料金は、無料 (*1) になります。

  • (*1) 1 年を経過するごとに、更新料が発生します。
データ通信料金

サブスクリプション、ご利用の国と地域、および利用する通信キャリアによって異なります。詳しくは、以下のページを参照してください。

なお、plan01s が利用される国と地域で通信した際は、plan01s のデータ通信料金が課金されます。

たとえば、plan01s に planX1 のみを追加して、同じ月に中国 (plan01s で通信) で 1 MiB、日本国内 (planX1 で通信) で 10 MiB 利用した場合の月額料金 (1 か月を 30 日として計算) は、以下のとおりです。

項目plan01s (中国での通信)planX1 (日本国内での通信)合計
サブスクリプション追加費用-3.0 USD (*1)3.0 USD (*1)
プライマリサブスクリプションの基本料金無料-無料
追加サブスクリプションの利用料金-1.8 USD / 月1.8 USD / 月
データ通信料金0.2 USD/MiB × 1 MiB = 0.2 USD0.02 USD/MiB × 10 MiB = 0.2 USD0.4 USD
  • (*1) サブスクリプションを追加した月に、1 回だけ請求されます。