バーチャル SIM/Subscriber は、仮想的な IoT SIM です。SORACOM Arc を利用して、任意のデバイスで SORACOM を利用するために作成します。
バーチャル SIM/Subscriber の種類
バーチャル SIM/Subscriber を大きく分けると、単体で契約するプライマリサブスクリプション としてのバーチャル SIM/Subscriber と、IoT SIM に追加するセカンダリサブスクリプション としての バーチャル SIM/Subscriber の 2 種類があります。
種類 | 説明 |
---|---|
プライマリサブスクリプション として単体で契約できるバーチャル SIM/Subscriber | 単体で契約するバーチャル SIM/Subscriber を作成すると、Air を利用できないデバイスで SORACOM を利用できます。また、SORACOM の動作検証にも活用できます。詳しくは、単体で契約するバーチャル SIM/Subscriber (プライマリサブスクリプション) を参照してください。 |
単体で契約するサブスクリプション (例: plan01s、plan-D) に、セカンダリサブスクリプション として追加するバーチャル SIM/Subscriber | IoT SIM にバーチャル SIM/Subscriber を追加すると、1 つのデバイスで複数の通信方式 (Air for セルラーと、Wi-Fi など) を使用して SORACOM を利用できます。詳しくは、IoT SIM に追加するバーチャル SIM/Subscriber (セカンダリサブスクリプション) を参照してください。 |
バーチャル SIM/Subscriber を作成すると、初期費用 (契約事務手数料) と基本使用料 (月額) が発生します。詳しくは、SORACOM Arc の料金プラン を参照してください。
バーチャル SIM/Subscriber の IMSI について
バーチャル SIM/Subscriber の種類に関わらず、バーチャル SIM/Subscriber には、99999
から始まる 15 桁の IMSI が付与されます。
単体で契約するバーチャル SIM/Subscriber (プライマリサブスクリプション)
単体で契約するバーチャル SIM/Subscriber を作成すると、Air を利用できないデバイスで SORACOM を利用できます。また、SORACOM の動作検証にも活用できます。
プライマリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber を作成するには、以下の手順のいずれかを行います。
- soratun で SORACOM API の認証キーを使用してバーチャル SIM/Subscriber をブートストラップする
- SORACOM ユーザーコンソールでバーチャル SIM/Subscriber を作成して soratun で接続する
- SORACOM ユーザーコンソールでバーチャル SIM/Subscriber を作成して WireGuard 実装で接続する
プライマリサブスクリプション のバーチャル SIM/Subscriber は、Air for セルラーの IoT SIM と同様に管理できます。たとえば、IoT SIM と同様にグループ設定などを行うことで、SORACOM の各種サービスを使用できます。
Air for セルラーの IoT SIM とプライマリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber の差異について
基本的には、プライマリサブスクリプション のバーチャル SIM/Subscriber は、Air for セルラーの IoT SIM と同様に管理できます。ただし、一部の機能で動作が異なります。
項目 | 説明 |
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データ通信量の確認 | バーチャル SIM/Subscriber のデータ通信量は、Air for セルラーの IoT SIM のデータ通信量とあわせて確認できます。99999 から始まる IMSI がバーチャル SIM/Subscriber です。 |
ステータスの変更 | バーチャル SIM/Subscriber のステータスは変更できますが、「使用中 (active)」および「解約済み (terminated)」だけです。 |
速度クラスの変更 | バーチャル SIM/Subscriber の速度クラスは設定できません。 |
バンドルの変更 | バーチャル SIM/Subscriber のバンドルは設定できません。 |
サブスクリプションコンテナ (追加サブスクリプション) の利用 | バーチャル SIM/Subscriber は、サブスクリプションコンテナ (追加サブスクリプション) を利用できません。 |
ほかのオペレーターへの譲渡 (移管) | バーチャル SIM/Subscriber は、ほかのオペレーターへ譲渡 (移管) できません。 |
CHAP 認証 | バーチャル SIM/Subscriber では CHAP 認証は利用できません。CHAP 認証を有効化したグループに、バーチャル SIM/Subscriber が所属していても料金は発生しません。 |
IMEI ロックの設定 | バーチャル SIM/Subscriber では IMEI ロックは設定できません。 |
SMS、USSD の送受信 | バーチャル SIM/Subscriber を利用して SMS や USSD を送受信することはできません。 |
SIM ローカル情報レポート | バーチャル SIM/Subscriber では、SMS を受信できないため、SIM ローカル情報レポートは取得できません。 |
基地局 / デバイスの位置情報の取得 | バーチャル SIM/Subscriber では、基地局 / デバイスの位置情報は取得できません。 |
バーチャル SIM/Subscriber の追加 | バーチャル SIM/Subscriber に対して、別のバーチャル SIM/Subscriber を追加することはできません。 |
SORACOM Peek for SIM | バーチャル SIM/Subscriber のパケットはキャプチャできません。 |
Virtual Private Gateway (VPG) | Type-E および Type-F のみをサポートします。 |
SORACOM Endorse | バーチャル SIM/Subscriber を使用しているデバイスに対して発行された認証トークンに、IMEI、MSISDN は含まれません。 |
Krypton の「Endorse による SIM 認証」 | バーチャル SIM/Subscriber に対して、Krypton の「Endorse による SIM 認証」は利用できません。 |
イベントハンドラー | IoT SIM に対して設定できる以下の機能は利用できません。 |
デバイスの識別子について
プライマリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber を利用するデバイスを SORACOM で識別する場合は、IoT SIM と同様に、バーチャル SIM/Subscriber の SIM ID や IMSI を使用します。
IoT SIM に追加するバーチャル SIM/Subscriber (セカンダリサブスクリプション)
IoT SIM にバーチャル SIM/Subscriber を追加すると、1 つのデバイスで複数の通信方式 (Air for セルラーと、Wi-Fi など) を使用して SORACOM を利用できます。
セカンダリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber を追加するには、以下の手順のいずれかを行います。
- soratun でセルラー回線認証を使用してバーチャル SIM/Subscriber をブートストラップする
- soratun で SIM 認証を使用してバーチャル SIM/Subscriber をブートストラップする
- SORACOM ユーザーコンソールでバーチャル SIM/Subscriber を作成して soratun で接続する
- SORACOM ユーザーコンソールでバーチャル SIM/Subscriber を作成して WireGuard 実装で接続する
セカンダリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber は、Air for セルラーの IoT SIM (プライマリサブスクリプション) とセットで管理します。たとえば、IoT SIM にグループを設定すると、同時にバーチャル SIM/Subscriber にもグループが設定されます。個別に設定することはできません。詳しくは、セカンダリサブスクリプション を参照してください。
1 つの IoT SIM (プライマリサブスクリプション) に追加できるバーチャル SIM/Subscriber は 1 つだけです。
デバイスの識別子について
セカンダリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber を利用するデバイスを SORACOM で識別する場合は、IoT SIM (プライマリサブスクリプション) の SIM ID や IMSI を使用します。詳しくは、SORACOM での IMSI の利用について を参照してください。
バーチャル SIM/Subscriber を利用して SORACOM に接続する際は、プライマリサブスクリプションの IoT SIM は必要ありません。
バーチャル SIM/Subscriber のセッションの特徴
IoT SIM の セッション と、バーチャル SIM/Subscriber のセッションは、以下の点で異なります。
- バーチャル SIM/Subscriber のセッションの状態は常に「オンライン」です。ユーザーコンソールからセッションを切断しても、すぐに「オンライン」状態になります。ただし、WireGuard の接続情報が更新されると、セッションが再確立されません。その場合は、デバイス側の WireGuard インターフェースを作成し直してください。詳しくは、バーチャル SIM/Subscriber のセッションを再確立する を参照してください。
- セカンダリサブスクリプションのバーチャル SIM/Subscriber を追加している場合は、ユーザーコンソールの SIM 管理画面の
IoT SIM のステータス 説明 使用中 (active) バーチャル SIM/Subscriber のステータスとセッションの状態が表示されます。 「使用中 (active)」以外 IoT SIM のステータスが表示されます。たとえば、IoT SIM のステータスを「休止中 (inactive)」に変更すると、SIM 管理画面では「休止中」と表示されますが、引き続きバーチャル SIM/Subscriber のステータスは「使用中 (active)」で、セッションは「オンライン」です。そのため、バーチャル SIM/Subscriber を利用したデータ通信は禁止されません。 欄の表示は、IoT SIM のステータスによって意味が変わります。