お客様の AWS アカウントにある Amazon Location Service の Tracking (以下、Tracking) へのデータ送信を、Beam が動作する SORACOM の AWS アカウントにのみ許可できます。
Beam を使用することで、以下のようなメリットがあります。
- Tracking にデータを送信するための認証情報を、デバイスにインストールする必要がありません。
- デバイスでは、Beam のエントリポイントを指定してアクセスするだけで、Tracking に位置情報などのデータを送信できます。AWS API リクエストの署名 で説明されている署名バージョン 4 の署名プロセスをデバイスで行う必要はありません。
HTTP エントリポイントは利用できません
Tracking にデータを送信したり取得したりする場合は、HTTP エントリポイントは利用できません。このページに書かれているとおり、Web サイトエントリポイントを利用してください。
ステップ 1: IAM ロールを作成して SORACOM の AWS アカウントに割り当てる
お客様のアカウントの Tracking へのアクセスを許可するための AWS IAM ロールを作成し、Beam が動作する SORACOM の AWS アカウントに割り当てます。
以下のボタンをクリックして IAM コンソールにアクセスし、
→ の順にクリックして、 をクリックします。→ の順にクリックし、 に SORACOM の AWS アカウント ID を入力します。
Beam が動作する SORACOM の AWS アカウントの ID は、カバレッジタイプによって異なります。
- 日本カバレッジ:
762707677580
- グローバルカバレッジ:
950858143650
- 日本カバレッジ:
にチェックを入れ、 に任意の文字列を入力します。
に入力した文字列は、これ以降、${external_id} と表記します。例:External-ID-tsqTJAB7LvQe0JtF
外部 ID の詳細は、AWS の AWS リソースへのアクセス権を第三者に付与するときに外部 ID を使用する方法 - AWS Identity and Access Management を参照してください。
をクリックします。
「許可を追加」画面が表示されます。
をクリックします。
別のウィンドウまたは別のタブで、「ポリシーの作成」画面が表示されます。
ここからは「ポリシーの作成」画面でポリシーを作成します
「ポリシーの作成」画面の操作が終わったら、
が表示されている「許可を追加」画面に戻ってきて IAM ロールを作成する操作を続けます。画面を閉じないでください。以下の項目を設定します。
項目 説明 をクリックして、 をクリックします。 以下の権限にチェックを入れます。
に以下の文字列を入力すると、フィルタリングできます。→ → の の順にクリックします。
「ARN の追加」画面が表示されます。
に、お客様の AWS アカウントの Amazon Location Service の ARN (例:arn:aws:geo:ap-northeast-1:XXXXXXXXXXXX:tracker/*
) を入力して、 をクリックします。「ポリシーの作成」画面に戻ります。
→ の順にクリックします。
に AWS IAM ポリシーの名前を入力し、 をクリックします。
AWS IAM ポリシーが作成され、ポリシー画面が表示されます。
ポリシー画面が表示されているウィンドウまたはタブを閉じて、「許可を追加」画面に戻ります。
をクリックし、手順 10 で入力した AWS IAM ポリシーの名前をテキストボックスに入力して、Enter キーを押します。
作成した AWS IAM ポリシーが表示されます。
作成した AWS IAM ポリシーにチェックを入れて、
をクリックします。に IAM ロールの名前を入力して、 をクリックします。
ロール画面に戻ります。
作成した IAM ロールの名前をクリックし、
をメモします。この ARN は、これ以降、${iam_role_arn} と表記します。例:
arn:aws:iam::XXXXXXXXXXXX:role/beam-tracker-role
ステップ 2: SORACOM Beam をセットアップする
Beam の Web サイトエントリポイントを設定します。ここで説明するとおりに設定すると、以下の機能が実現できます。
- IoT SIM を利用するデバイスから送信されたデータを Beam から Tracking に転送する。
- IoT SIM を利用するデバイスで Tracking に保存されているデータを取得したりする。
認証情報ストアに AWS IAM ロール認証情報を登録する
Beam から Tracking を利用するために、IAM ロールに関する認証情報を、SORACOM ユーザーコンソールの認証情報ストアに登録します。認証情報は、${iam_role_arn} および ${external_id} です。認証情報ストアの「認証情報を登録」画面の表示方法については、認証情報を登録する を参照してください。
認証情報は、以下のように登録します。
項目 | 説明 |
---|---|
認証情報を識別するために任意の名前を入力します。例: AWS-IAM-role-credentials-tracker | |
「AWS IAM ロール認証情報」を選択します。 | |
${iam_role_arn} を入力します。例: arn:aws:iam::XXXXXXXXXXXX:role/beam-tracker-role | |
${external_id} を入力します。例: External-ID-tsqTJAB7LvQe0JtF |
Beam の Web サイトエントリポイントを設定する
Beam の設定はグループに対して行います
ここでは、グループの設定を変更する操作のみを説明します。グループの仕組みやグループを作成する操作について詳しくは、グループ設定 を参照してください。
SIM グループ画面で
をクリックします。SIM グループ画面を表示する操作について詳しくは、グループの設定を変更する を参照してください。
→ の順にクリックします。
「SORACOM Beam - Web サイト転送設定」画面が表示されます。
以下のように設定します。
項目 説明 任意の設定名 (例: Amazon Location Service Tracking
) を入力します。→ 「HTTPS」を選択します。 → tracking.geo.${Amazon Location Service のリージョン}.amazonaws.com
を入力します (例:tracking.geo.ap-northeast-1.amazonaws.com
)。→ 空欄のままにします。 → オンにして、以下のように設定します。
- : 「AWS Signature V4」を選択します。
- : 「geo」(Amazon Location Service) を選択します。
- : Amazon Location Service のリージョンを選択します。
- 認証情報ストアに AWS IAM ロール認証情報を登録する で登録した AWS IAM ロール認証情報を選択します。 :
Web サイトエントリポイントの設定値の意味は、Web サイトエントリポイント を参照してください。
をクリックします。
IoT SIM の Beam の設定が完了しました。
Air のメタデータサービスを有効化する
このあとの手順で、デバイスから Tracking にデータを送信する際、Air のメタデータサービスを利用します。そのため、IoT SIM が所属するグループで、Air のメタデータサービスを有効化してください。詳しくは、メタデータサービスを設定する を参照してください。
項目 | 説明 |
---|---|
オンにします。 |
ステップ 3: Web サイトエントリポイントを使用して Tracking にデータを送信する
Beam の Web サイトエントリポイントを使用して、Tracking に位置情報を送信したり、受信したりできます。
トラッカーを作成する
Tracking に beam-tracker
という名前のトラッカーを作成します。
デバイスに、requests パッケージ をインストールします。
$ pip install requests
デバイスに、create_tracker.py をダウンロードします。
create_tracker.py はサンプルスクリプトです
create_tracker.py は、メタデータサービスを利用して IMSI を取得し、Tracking に
beam-tracker
という名前の新しいトラッカーを作成するサンプルスクリプトです。デバイスで以下のコマンドを実行して、トラッカーを作成します。
$ python create_tracker.py
8942XXXXXXXXXXXXXXX {'TrackerName': 'beam-tracker', 'TrackerArn': 'arn:aws:geo:ap-northeast-1:XXXXXXXXXXXX:tracker/beam-tracker', 'CreateTime': '2023-01-11T12:20:04.118Z'}
データを送信する
デバイスに、send_locations.py をダウンロードします。
send_locations.py はサンプルスクリプトです
send_locations.py は、メタデータサービスを利用して IMSI を取得し、Tracking の
beam-tracker
という名前のトラッカーに対して、2 秒間隔で 3 つの固定の位置情報を送信するサンプルスクリプトです。デバイスで以下のコマンドを実行して、3 つの位置情報を送信します。
$ python send_locations.py
データを取得する
デバイスに、get_locations.py をダウンロードします。
get_locations.py はサンプルスクリプトです
get_locations.py は、メタデータサービスを利用して IMSI を取得し、Tracking の
beam-tracker
という名前のトラッカーから過去 3 日間の位置情報を取得するサンプルスクリプトです。デバイスで以下のコマンドを実行して、位置情報を取得します。
$ python get_locations.py
{'DevicePositions': [{'DeviceId': 'beam-tracker-8942XXXXXXXXXXXXXXX', 'SampleTime': '2023-01-19T09:50:09.933Z', 'ReceivedTime': '2023-01-19T09:50:13.177Z', 'Position': [139.7583, 35.6664], 'Accuracy': {'Horizontal': 1}}, {'DeviceId': 'beam-tracker-8942XXXXXXXXXXXXXXX', 'SampleTime': '2023-01-19T09:50:15.951Z', 'ReceivedTime': '2023-01-19T09:50:16.522Z', 'Position': [139.7501, 35.6701], 'Accuracy': {'Horizontal': 1}}, {'DeviceId': 'beam-tracker-8942XXXXXXXXXXXXXXX', 'SampleTime': '2023-01-19T09:50:18.733Z', 'ReceivedTime': '2023-01-19T09:50:19.3Z', 'Position': [139.744207, 35.669823], 'Accuracy': {'Horizontal': 1}}]}