デバイスから SORACOM Funnel (以下、Funnel) の エントリポイント にデータを送信すると、Funnel のアダプタを経由して対象のサービスにデータが転送されます。
Funnel のアダプタには、大きく分けて 2 種類のアダプタが存在します。
種類 | 説明 |
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Soracom Hosted Adapter | ソラコムが開発しているアダプタです。各種パブリッククラウドへデータを転送するためのアダプタです。同じパブリッククラウドのサービス間のハブとして動作し、同じパブリッククラウドの別のサービスへデータを転送する用途で、主に利用されます。 |
Partner Hosted Adapter | SORACOM パートナースペース (SPS) の認定パートナー各社が開発しているアダプタです。認定パートナー各社のサービスにデータを転送する用途で、主に利用されます。 |
Soracom Hosted Adapter
Soracom Hosted Adapter は、以下のとおりです。
- Amazon Kinesis Data Streams アダプタ
- Amazon Data Firehose アダプタ
- AWS IoT Core アダプタ
- Microsoft Azure Event Hubs アダプタ
- Google Cloud Pub/Sub アダプタ
Amazon Kinesis Data Streams アダプタ
AWS で大規模ストリーミングデータ処理を行うのに欠かせないのが Amazon Kinesis Data Streams です。
特徴としては、フルマネージドでスケーラブルなリアルタイムデータ処理基盤であり、大規模なデータを扱う IoT には欠かせないものとなっています。 送信された データは EC2 などで動作するアプリケーションで処理をすることもでき、AWS Lambda を使ってサーバーレスで処理することも可能です。
Amazon Data Firehose アダプタ
デバイスから送信したデータを Amazon S3、Amazon Redshift、Amazon OpenSearch Service などに保存する場合には、Amazon Data Firehose アダプタが利用できます。
また、Lambda を使って入力されたデータを処理してから保存することもできますので、センサーデータを何らかの下処理をしてから保存するといったユースケースにも対応できます。
AWS IoT Core アダプタ
AWS IoT Core アダプタを使うと、AWS の IoT 関連サービスの核となるメッセージブローカーへデータをパブリッシュできます。 AWS IoT Core を利用する際は、通常はデバイスごとに証明書を発行・管理して MQTTS によるクライアント認証を行います (この方法は Beam でサポートしています) が、Funnel ではサービス仕様上データを送信するのみとなり、アクセスキー認証による HTTPS 通信を利用します。 AWS IoT Core から先は、ルールエンジンを使って AWS Lambda や Amazon DynamoDB など多彩なサービスへと連携させることができます。
Funnel の AWS IoT Core アダプタの長所は、デバイスから送信したデータを Funnel のエントリポイントに送信するだけで、AWS IoT Core によって様々な AWS サービスと連携できる点です。Funnel のエントリポイントは TCP/UDP/HTTP のプロトコルに対応しており、デバイスやシステムの要件に合ったプロトコルで通信できます。また、転送先 URL のパスには #{imsi}
、#{imei}
といった変数が利用できます。埋め込んだ変数は、通信に利用している IoT SIM の IMSI や IMEI に置換されます。トピック名に利用できるので、特定の IoT SIM やデバイスからのデータを抽出して処理できます。
具体的な利用例としては以下のようなものが挙げられます。
- IMSI をキーワードとして AWS IoT Core でフィルタリングし、特定の IoT SIM からデータを受信したら Lambda Function で処理を行う。
- センサからのデータを AWS IoT Core に集約し、AWS DynamoDB に蓄積する。
デバイス宛の通信 (下り通信) には対応していません
Funnel はデータをパブリッククラウドにアップロードする機能に特化しており、デバイス宛の通信 (下り通信) には対応していません。AWS IoT Core の Thing Shadow 機能を使う場合には SORACOM Beam を利用してください。
Microsoft Azure Event Hubs アダプタ
Microsoft Azure Event Hubs アダプタを利用するとデバイスからのデータを Azure Event Hubs に送信し、Azure Stream Analytics や Azure Databricks などと連携できるため、リアルタイムデータパイプラインを簡単に構成できます。
Google Cloud Pub/Sub アダプタ
Google Cloud Pub/Sub アダプタを利用すると、デバイスからのデータをメッセージとして送信できます。送信されたメッセージは、Compute Engine、Cloud Dataflow など Google Cloud の各種サービスと連携し、BigQuery でのデータ解析などを行うことが可能となります。
Partner Hosted Adapter
SORACOM パートナースペース (SPS) の認定パートナー各社が開発しているアダプタです。認定パートナー各社のサービスにデータを転送する用途で、主に利用されます。詳細は、認定パートナー各社にお問い合わせください。