バージョンに関する注意
- ここでは、Lagoon 2 (旧バージョンの Lagoon) について説明しています。最新バージョンの Lagoon 3 については、Lagoon 3 のドキュメント を参照してください。
- Lagoon 2 は 2024 年 9 月 16 日に終了します。Lagoon 2 が終了するまでに Lagoon 3 へ移行してください。Lagoon 3 への移行方法は、Lagoon 2 から Lagoon 3 に移行する を参照してください。Lagoon 2 終了後は、Dashboard が閲覧できません。また、Alert も停止します。
- 各バージョンに関する情報は、SORACOM Lagoon 2 と SORACOM Lagoon 3 の違い を参照してください。
- Lagoon 2 の新規契約はできません。
- Lagoon Classic の提供は終了しました。
Transformation 機能では、SORACOM Harvest Data 上のデータを SORACOM Lagoon の Dashboard へ可視化する前にフィルタリングや四則演算などの加工をします。
たとえば外れ値の除去や摂氏温度から華氏温度の変換といったユースケースがあります。
- 可視化の種類として Graph を選択し Transformation 機能を利用した場合、同 Panel 内で Alert は設定できません。
- SORACOM Harvest Data に格納する前にデータを演算するサービスとして SORACOM Orbit があります。こちらの利用も検討してください。
Transformation 機能は、Public Beta です。
Transformation の適用方法
Panel 編集画面にて メトリック (Query や Expression) を作成した後、
タブを開きます。適用したい Transformation を選択し、設定できます。
複数の Transformation を設定した場合、上から順に適用されます。
Transformation の削除方法
Transformation が不要になった場合はゴミ箱アイコンで削除してください。
Transformation の利用例
Transformation には多くの種類がありますが、いくつかについて実際の利用例を交えて紹介します。
Filter data by values によるフィルタリング
例として、室温を計測しているセンサーにおいて稀に異常に高い外れ値が送信されてしまうシナリオを考えます。
このようなシナリオでは、
の Transformation を利用して値の範囲を指定することが有効です。
それぞれの設定値は以下のような意味を持ちます。
設定項目 | 項目の意味 |
---|---|
Filter type | フィルタリングの種類。Include では指定したフィルタの範囲内のデータを表示し、Exclude では 指定したフィルタの範囲のデータを除外する |
Conditions | 条件。Match all では設定した条件すべてに該当したデータを表示・除外し、Match any では設定した条件のいずれかに該当したデータを表示・除外する |
Field | どのメトリックに対してフィルタリングを適用するか |
Match | フィルタリングの詳細。is greater (より大きい), is lower (より小さい) など |
Add field from calculation による四則演算
演算は Transformation でもできますが、Expression 機能の利用が推奨です。
温度データが摂氏で送信されており、華氏で表示したいシナリオを考えます。
タブより を選択してください。
摂氏から華氏に変換するには 摂氏温度 * 1.8 + 32
の演算が必要です。* 1.8
の演算と、+ 32
の演算についてそれぞれ の Transformation を適用します。
まずは * 1.8
の演算をします。
それぞれの設定値は以下のような意味を持ちます。
設定項目 | 項目の意味 |
---|---|
Mode | 計算の種類。Reduce row は最大・最小などを算出し、Binary operation は四則演算をする |
Operation | 計算の詳細。Field or number 欄に計算対象のメトリックまたは数字を入れ、四則演算 (+ , - , * , / ) を選択する |
Alias | 計算結果の系列名 |
Replace all fields | 有効にすると、計算元のメトリックを上書きする |
+ 32
の計算をして、Alias
で系列名を temperature_F
に変更すると以下のような表示になります。
Organize fields による系列名の変更および表示 / 非表示の設定
系列名の変更には Override 機能も利用できます。"Organize fields" による変更は複数の系列名をシンプルに変更したい場合に有効です。
データの英語の系列名を、閲覧者のために日本語に変換したいシナリオを考えます。
このように複数のメトリックが存在する場合は最初に Time
を選択します。
の Transformation を適用したら の Transformation を追加します。テキストボックスに新しい系列名を記載することで上書きできます。
Rename by regex による複数系列名の一括変更
系列名の変更には Override 機能も利用できます。"Rename by regex" による変更は正規表現を用いて複数の系列名を一括で変更したい場合に有効です。
デバイスから送信されたデータが [SIM 名].[データの種類] (例: sample-SIM-1.tempereture, sample-SIM-1.humidity) となっており、表示を一括して変換したいシナリオを考えます。
Match
にて () で囲った部分を Replace
にて引数 ($1
, $2
...) にできます。この例では [文字列 1].[文字列 2]
というパターンの文字列を [文字列 2]
に変換しています。
設定項目 | 項目の意味 | 設定値の例 |
---|---|---|
Match | 変換対象の文字列。正規表現で記載できる | ([^\.]+)\.(.+) |
Replace | 変換後の文字列。 | $2 |
また、以下のようにシンプルな一括置換も可能です。この例では sample-SIM-1.[データの種類]
を raspberryPi_[データの種類]
に変換しています。
設定項目 | 項目の意味 | 設定値の例 |
---|---|---|
Match | 変換対象の文字列。正規表現で記載できる | sample-SIM-1. |
Replace | 変換後の文字列 | raspberryPi_ |
Transformation 機能で実現できない操作
現時点で、以下のような操作はできません。
累乗など四則演算以外の演算
このような操作が必要な場合は Expression を利用してください。
複数 SIM から送信された同名の系列に対する個別の系列名変更
たとえば複数の SIM から "temperature" という系列名のデータを送信する場合、グラフ上はすべてのデータが "temperature" と表示され、"temperature_A", "temperature_B" といった区別ができません。
このような問題を解決したい場合は Override を利用してください。
Transformation を適用したデータに対する Alert の設定
Transformation は柔軟な可視化を目的に利用できます。アラート送信のためにデータの前処理が必要な場合は、SORACOM Orbit を利用してください。なお、系列名の変更だけであれば Override 機能は Alert との併用が可能です。
数値以外のデータに対する処理
現時点の SORACOM Lagoon では、テキストデータは Table のみで利用でき、boolean データは利用できません。テキストマッピングなどを利用したい場合は Table の Value mappings で設定してください。