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Alert の概要

Alert を利用するときの「時間」について

以下の「時間」について正しく理解して、Alert を利用してください。

項目説明
データ取得間隔

Lagoon 3 は、Harvest Data からデータを一定の時間間隔でまとめて取得します。たとえば、Maker プランの場合は、30 秒間隔でデータを取得します。そのため、デバイスが Harvest Data に送信したデータが、Lagoon 3 ですぐに利用できないことがあります。詳しくは、デバイスが Harvest Data にデータを保存した時刻と Lagoon 3 でデータを利用できる時刻について を参照してください。

評価範囲Lagoon 3 がデータを 1 回評価するときに、評価対象になる時間範囲です。評価時刻 (now) からの相対時間 (何分前 / 何時間前 / 何日前) で指定します。たとえば、1 回評価するときに評価時刻の 30 秒前から 40 秒前までの 10 秒間のデータを評価する (例: now-40s to now-30s) といった設定を行います。
評価間隔データを評価したあと、次にデータを評価するまでの待機時間 (時間間隔) です。10 秒の倍数を指定できます。

たとえば、デバイスから 10 秒に 1 回データが送信されるシステムを構築し、Lagoon 3 の Maker プランを利用しているときは、以下の図のように時間を設定することを推奨します。また、このように設定したときの Lagoon 3 の動作については、動作例 を参照してください。

動作例

Alert を設定して 60 秒と少し経った時点からデータを評価することになった場合に、Lagoon 3 がデータを取得するタイミングと、Lagoon 3 がデータを評価する方法を説明します。

  1. Lagoon 3 が、最新の 30 秒間のデータを Harvest Data から取得します。

    図では、2 つのデータが取得されていることに注目してください。

  2. しばらくして、Lagoon 3 が now-40s to now-30s の設定に従って、30 秒前から 40 秒前 (10 秒間) のデータを評価します。

    下図の評価範囲 (黄色い範囲) に含まれる 1 つのデータだけが評価されます。

  3. 手順 1 の 30 秒後に Lagoon 3 が、最新の 30 秒間のデータを Harvest Data から取得します。

    図では、3 つのデータが取得されていることに注目してください。

  4. 手順 2 の 10 秒後 (手順 3 の数秒後) に Lagoon 3 が now-40s to now-30s の設定に従って、30 秒前から 40 秒前 (10 秒間) のデータを評価します。

    下図の評価範囲 (黄色い範囲) に含まれる 1 つのデータだけが評価されます。

  5. 同様に、10 秒間隔で 10 秒間のデータを評価します。

  6. 手順 3 の 30 秒後に Lagoon 3 が、最新の 30 秒間のデータを Harvest Data から取得します。

    図では、3 つのデータが取得されていることに注目してください。

    これ以降、同じ動作を繰り返します。

    ここで紹介した動作例のように、漏れなくすべてのデータが評価されるように設定することを推奨しますが、用途に合わせて柔軟に設定できます。

評価間隔と評価範囲の組み合わせによっては、一部または全部のデータが評価されないことがあります。

  • 評価間隔が 20 秒で、評価範囲が now-40s to now-30s (10 秒) の場合、一部のデータは評価されません。

  • 評価範囲を now-40s to now-10s (30 秒間) のように、to の次に設定する時間を now-30s (Maker プランの場合) よりも now に近い時間にすると、Lagoon 3 がデータを取得していない範囲が評価されるため、Error が発生することがあります。

Pro プランに変更するとデータ取得間隔が短くなります

そのため、Pro プランに変更すると、評価範囲を now-15s to now-5s に設定しても、データを正しく評価できます。Lagoon 3 のプランについて詳しくは、SORACOM Lagoon のプラン を参照してください。

Alert を設定する操作の流れ

Lagoon 3 では、主に Alert ruleContact pointNotification policy を利用して、Alert を詳細に制御します。

Lagoon 3 でデータを監視して、Slack やメールで通知されるまでの Lagoon 3 の動作は以下のとおりです。

  1. Alert rule がデータを評価し、Notification policy が Alert rule の State を評価します。

  2. データが評価基準を満たすと、Alert rule の State が Firing に変化します。

  3. Notification policy は、「State が Firing に変化した Alert rule」を確認すると、Alert rule に設定した Label (severity=warning) に紐づく Contact point に対して、通知を指示します。

    一時的に通知しない設定 (Silence) も利用できます

    発生した問題に対応しているときは、通知を一時的にオフにできます。これを Silence と呼びます。Silence では、Alert rule に設定した Label (severity=warning) に対して、通知しない時間や曜日を設定します。詳しくは、Silence を設定する を参照してください。

項目説明

Alert rule

Alert rule

監視するデータと、通知が必要になる基準 (評価基準) を設定します。また、通知先を表す Label も設定します。実際には、Label は Contact point と紐づけるための情報です。詳しくは、Alert rule を設定する を参照してください。

例:

データと評価基準通知先を表す Label
温度が 24 ℃を超えたseverity=info
温度が 26 ℃を超えたseverity=warning

Contact point

Contact point

通知方法、通知先、および通知内容 (本文) を設定します。通知方法にあわせてタイトルや本文を指定できます。詳しくは、Contact point を設定する を参照してください。

例:

名前通知先通知内容
Slack-deviceSlack の #device チャンネルmrkdwn フォーマット を利用してデザインできます。
Mailnotify@example.com 宛てのメールテキストで通知内容を指定できます。

Notification policy

Notification policy

Alert rule に設定した Label と Contact point を紐づけます。

例:

LabelContact point
severity=infoContact point Slack-device (Slack の #device チャンネル) に通知
severity=warningContact point Mail (notify@example.com 宛てのメール) に通知
あらかじめ Alert rule および Contact point を設定してください

Notification policy を設定するときには、Label や Contact point の名前が必要です。