SORACOM Mosaic の提供の終了について
- 2024 年 6 月 30 日をもって SORACOM Mosaic に対応するエッジコンピューターである S+ Camera シリーズの販売およびサポートを終了しました。SORACOM Mosaic のサポートは 2024 年 12 月 31 日まで承ります。
- 2024 年 12 月 31 日に SORACOM Mosaic の提供を終了します。
S+ Camera シリーズ では、エッジコンピューターで撮影した画像や動画を処理するアプリケーションを「アルゴリズム」と呼びます。
ここでは、PC を利用して独自のアルゴリズムを開発する手順を説明します。
このページで説明する手順は、Ubuntu 20.04.3 LTS および Windows Subsystem for Linux (WSL) 上で動作する Ubuntu 20.04 LTS で確認しています。OS やディストリビューションによって、必要なソフトウェア (パッケージ) や手順が異なることがあります。
サンプルアルゴリズムのひな型を S+ Camera シリーズ にインストールすると、Harvest Data/Files にデータがアップロードされます。
あらかじめ SORACOM Harvest Files に定期的に画像をアップロードする の手順に従って、定期的に画像をアップロードできることを確認してください。
独自アルゴリズムの開発環境を準備する
S+ Camera シリーズ にインストールされている Python の実行環境を PC に再現します。これを「独自アルゴリズムの開発環境」と呼びます。
独自アルゴリズムの開発環境を Windows に構築するには
独自アルゴリズムを Windows で開発する場合は、Windows Subsystem for Linux (WSL) を利用してください。
必要なソフトウェア (パッケージ) をインストールする
あらかじめ、以下のソフトウェア (パッケージ) をインストールしてください。
- cmake
- git
- g++
- jq
- make
- zlib1g-dev
- libffi-dev または libffi-devel
- libbz2-dev
- libreadline-dev
- libssl-dev
- libsqlite3-dev
- libwebp-dev
Ubuntu 20.04.3 LTS で apt
を利用している場合は、以下のコマンドでインストールできます。
$ sudo apt update
$ sudo apt install cmake git g++ jq make zlib1g-dev libffi-dev libbz2-dev libreadline-dev libssl-dev libsqlite3-dev libwebp-dev
Python 3.7.3 をインストールする
# pyenvの環境を構築
$ git clone https://github.com/yyuu/pyenv.git $HOME/.pyenv
$ export PYENV_ROOT="$HOME/.pyenv"
$ export PATH="$PYENV_ROOT/bin:$PATH"
$ eval "$(pyenv init --path)"
$ eval "$(pyenv init -)"
# python 3.7.3をインストール
$ pyenv install 3.7.3
$ pyenv local 3.7.3
$ pyenv rehash
# venvの環境を構築
$ sudo mkdir -p /opt/soracom/python/
$ self=$(whoami)
$ sudo chown -R $self /opt/soracom/
$ python -m venv /opt/soracom/python/
$ source /opt/soracom/python/bin/activate
Python モジュールをインストールする
S+ Camera シリーズ の Python の実行環境にインストールされているモジュールを、開発環境にインストールします。モジュールのリストは、SORACOM Mosaic Python module 一覧 を参照してください。このリストを requirements.txt という名前で現在のディレクトリに保存すると、以下のコマンドで一括インストールできます。
$ pip install --upgrade pip
$ pip install setuptools --upgrade
$ pip install -r requirements.txt
任意の Python モジュールをインストールするには
S+ Camera シリーズ の Python の実行環境にインストールされていないモジュール (例: pandas) をアルゴリズムで利用する場合は、独自アルゴリズムのアーカイブにモジュールを含めます。詳しくは、任意の Python モジュールを利用するには を参照してください。
開発環境を再起動したときは
開発環境を再起動すると、pip
などが利用できなくなります。以下のコマンドを実行すると開発環境が再び利用できます。
$ source /opt/soracom/python/bin/activate
アルゴリズムをインストールするための環境を構築する
次に、アルゴリズムをインストールするための環境を準備します。
SORACOM CLI をインストールします。
デプロイツールで、
default
プロファイルを使用します。SORACOM CLI を実行するために必要な認証情報は、default.json
に保存してください。認証情報は、以下の権限を持った SAM ユーザーの認証情報を使用します。
{ "statements": [ { "api": [ "Device:readDeviceResource", "Device:executeDeviceResource", "Device:writeDeviceResource", "FileEntry:putFile" ], "effect": "allow" } ] }
認証情報を保存する際は、「カバレッジタイプ」で
2
(特定地域向け IoT SIM (日本カバレッジ) のサブスクリプション (plan-D など) を利用する IoT SIM を管理する) を指定します。
操作について詳しくは、SORACOM CLI 利用ガイド を参照してください。
SORACOM Mosaic のデプロイツール (deploy.zip) にアクセスし、 をクリックして、保存します。
deploy.zip を解凍します。
deploy.zip が Downloads ディレクトリにダウンロードされた場合は、以下のコマンドで解凍できます。
$ unzip Downloads/deploy.zip
Archive: Downloads/deploy.zip creating: deploy/ inflating: deploy/mosaic_deploy.sh inflating: deploy/mosaic_deploy_apicall.sh
unzip
コマンドを実行したディレクトリで、次のコマンドが実行できることを確認してください。$ cd deploy $ soracom
A command line tool to invoke SORACOM API Usage: soracom [command] Available Commands: audit-logs Retrieve audit logs. :
$ jq
jq - commandline JSON processor [version 1.x] Usage: jq [options] <jq filter> [file...] :
$ ./mosaic_deploy.sh
Please set the parameters. Example. mosaic_deploy.sh /git/surplus/CameraApp0
このディレクトリ (
deploy
ディレクトリ) を「デプロイツールのディレクトリ」と呼びます。
独自アルゴリズムのひな型を準備する
Python で動作する独自アルゴリズムのひな型を用意しています。以下の手順に従って、ひな型を準備します。
独自アルゴリズムのひな型 (CameraApp0.tgz) にアクセスし、 をクリックして、保存します。
CameraApp0.tgz を解凍します。
CameraApp0.tgz が Downloads ディレクトリにダウンロードされた場合は、以下のコマンドで解凍できます。
$ tar -zxvf ~/Downloads/CameraApp0.tgz
._CameraApp0 CameraApp0/ CameraApp0/._CameraApp.py CameraApp0/CameraApp.py CameraApp0/._fisheye_correction.py CameraApp0/fisheye_correction.py CameraApp0/._haarcascade_frontalface_alt2.xml CameraApp0/haarcascade_frontalface_alt2.xml CameraApp0/._CameraApp0 CameraApp0/CameraApp0 CameraApp0/._haarcascade_eye.xml CameraApp0/haarcascade_eye.xml CameraApp0/._soracom_harvest_files.py CameraApp0/soracom_harvest_files.py CameraApp0/.___init__.py CameraApp0/__init__.py CameraApp0/._PreSetup CameraApp0/PreSetup CameraApp0/._soracom_image_util.py CameraApp0/soracom_image_util.py CameraApp0/._info.json CameraApp0/info.json CameraApp0/._soracom_device_interface.py CameraApp0/soracom_device_interface.py CameraApp0/._soracom_harvest_data.py CameraApp0/soracom_harvest_data.py
Public Beta 以降は CameraApp0_custom_oma.xml は不要となりました。
CameraApp0.py 以外のファイル名は変更しないでください
ファイル名を変更すると、エッジコンピューターで独自アルゴリズムが実行されません。
独自アルゴリズムを開発する
独自アルゴリズムのひな型に含まれる以下のファイルを編集します。
ファイル名によっては正しくインストールできません
任意のファイルを追加する場合は、ファイル名に注意してください。以下のルールに一致すると、異なる内容で上書きされたり、S+ Camera シリーズ にインストールする際に削除されたりします。
- ファイル名の先頭が
.
(ドット) (例:.xxxxx
) - ファイル名の末尾が
.pyc
または.log
(例:xxxxx.pyc
、xxxxx.log
) - ファイル名が
tests
info.json: バージョン情報ファイル
独自アルゴリズムのバージョン情報を設定します。
info.json
の例:
{
"PkgApp": "CameraApp0",
"PkgName": "CameraApp0 Sample",
"PkgVersion": "1.0.0",
"PkgIdentifier": "io.soracom.CameraApp0"
}
パラメーター | 説明 |
---|---|
PkgApp | CameraApp0 。変更しないでください。 |
PkgName | 独自アルゴリズムの名前を指定します。 |
PkgVersion | 独自アルゴリズムのバージョンを指定します。 |
PkgIdentifier | 独自アルゴリズムの識別子を指定します。ほかの独自アルゴリズムとの名前が一致することを避けるために、識別子の先頭に、インターネットのドメイン名を逆順に記載した文字列を入れてください。 |
CameraApp0: 実行モジュール
S+ Camera シリーズ はアルゴリズムとして CameraApp0
を実行します。Python 3.7.3 で CameraApp0
を実行するために CameraApp0
の一行目は、以下のように記述してください。
#!/opt/soracom/python/bin/python
独自アルゴリズムのひな型では、アルゴリズム本体を CameraApp.py
に記述し、以下のように CameraApp0
から CameraApp.py
をインポートしています。
CameraApp0
の例:
import CameraApp
def main():
CameraApp.Interval()
if __name__ == '__main__':
main()
PreSetup: アルゴリズム実行前に実行されるスクリプト
PreSetup
は、アルゴリズム実行前に実行されるスクリプトです。具体的には、以下のタイミングで PreSetup
およびアルゴリズムが実行されます。
- OS 起動後
- アルゴリズムのインストール後
- アルゴリズムの環境変数変更後
- アルゴリズム異常終了後
- SORACOM Inventory Agent の再起動後
PreSetup
の例:
#!/bin/bash
echo PreSetup
pip freeze
アルゴリズムおよび PreSetup が実行されるディレクトリについて
アルゴリズムおよび PreSetup
が実行されるディレクトリは、S+ Camera シリーズ の /opt/soracom/container/container0/opt/soracom/bin/CameraApp0/
です。したがって、SSH で S+ Camera シリーズ にリモートアクセス した場合は、以下のコマンドを実行すると、アルゴリズムおよび PreSetup
が上記のディレクトリに保存されていることを確認できます。
$ sudo ls /opt/soracom/container/container0/opt/soracom/bin/CameraApp0/
一方で、アルゴリズムおよび PreSetup
では、/opt/soracom/container/container0/
をルートディレクトリとみなして動作します。そのため、PreSetup
内で現在のディレクトリを表示する echo $PWD
を実行すると、/opt/soracom/container/container0
が含まれずに、以下のようにログファイルに出力されます。
/opt/soracom/bin/CameraApp0
アルゴリズムで大きなサイズのファイルを利用するときは
アルゴリズムで、大きなサイズのファイル (例: 機械学習モデルなど) を利用するには、以下のいずれかの方法で、S+ Camera シリーズ にダウンロードしてください。
- アルゴリズムのアーカイブに含める
- アルゴリズムのインストール時にタイムアウトが発生して、インストールに失敗することがあります。
- アルゴリズムのアーカイブに含まれるファイルは、電源をオフにしても削除されません。
- アルゴリズムのアーカイブに含めずに、
PreSetup
でcurl
コマンドなどを実行して、アルゴリズム実行前にダウンロードする- アルゴリズムのインストール時にタイムアウトが発生する原因にはなりません。
- アルゴリズムのアーカイブに含まれないファイルは、電源をオフにすると削除されます。削除されたファイルは、電源をオンにするたびに
PreSetup
が実行され、アルゴリズム実行前にダウンロードできます。その結果、多くのデータ通信が発生します。 - 大きなサイズのファイルを SORACOM プラットフォーム (Harvest Files) 以外のストレージに保存して、Wi-Fi アップロード機能 を利用することを推奨します。SORACOM プラットフォーム以外の URL からダウンロードする際は、Wi-Fi が利用されるため、IoT SIM を利用したデータ通信量を抑制できます。
- Mosaic コンソールでアルゴリズムのパラメータ (例: SORACOM_ENV_MODE) を変更した場合など、
PreSetup
が実行される際にすでに S+ Camera シリーズ にファイルがダウンロード済みの場合があります。その場合は、改めてダウンロードしないように実装すると、データ通信量や起動時間を抑制できます。 - 保存先のディレクトリを指定せずにファイルをダウンロードすると、ファイルは S+ Camera シリーズ の
/opt/soracom/container/container0/opt/soracom/bin/CameraApp0/
に保存されます。ただし、アルゴリズムおよびPreSetup
からは/opt/soracom/bin/CameraApp0/
に保存されているように見えます。パスの指定に注意してください。
ログの出力とダウンロードについて
あらかじめ、ログを出力するには の手順に従って設定をしておくと、PreSetup
で標準出力に出力した内容が、ログに出力されます。
問題が発生したときのために、独自アルゴリズムのひな型のように pip freeze
を実行して、実行環境にインストールされている Python のパッケージのリストをログに出力することを推奨します。
出力したログは、Mosaic コンソールで操作すると、S+ Camera シリーズ から Harvest Files にアップロードした後、PC にダウンロードできます。詳しくは、ログをダウンロードする を参照してください。
CameraApp.py: アルゴリズムの本体
CameraApp.py
に独自アルゴリズムの本体を記述します。
開発環境 (PC) が正しく準備されていることを確認する
ダウンロードしたアルゴリズムのひな型に含まれる CameraApp.py
には、S+ Camera シリーズ にアクセスし、定期的に Harvest Files にカメラ画像 (静止画・WebP 形式データ) をアップロードし、Harvest Data にカメラ画像に関するデータをアップロードするアルゴリズムが記述されています。
開発環境が正しく準備されていることを確認するために、このアルゴリズムを開発環境で実行します。
- Napter の利用料金が発生します。なお、毎月一定額の無料利用枠が設定されています。詳しくは、SORACOM Napter のご利用料金 を参照してください。
- SORACOM Air for セルラーを利用してデータを送信するため、データ通信料が発生します。
開発環境で IoT SIM を利用すると Harvest Data/Files へのアップロードも確認できます
Harvest Data/Files にデータをアップロードするには、SORACOM Air を利用する必要があります。開発環境で実行したアルゴリズムから Harvest Data/Files にデータをアップロードするには、別途 SORACOM Air for セルラーを契約し、開発環境で使用してください。この場合、アルゴリズムでアップロードしたデータは、開発環境で利用する IoT SIM の Harvest Data/Files に保存されます。
S+ Camera シリーズ の電源を入れます。
S+ Camera シリーズが提供する API を外部から利用するためにリモートアクセスする場合 の操作に従って、API にリモートアクセスするための HTTP(s) URL (
https://xxx-xxx-xxx-xxx.napter.soracom.io:yyyyy
) をクリップボードにコピーします。ただし、
は8080
を指定してください。以下のコマンドを実行して、URL を環境変数
DEVICE_INTERFACE_URI
に代入します。${surplusRemoteAccessURL} には、手順 2 でリモートアクセスを有効にしたときに
に表示された URL をペースト (入力) してください。export DEVICE_INTERFACE_URI=${surplusRemoteAccessURL}
そのほかの環境変数を設定します。
export DEBUG_FILE_SAVE=True
環境変数 説明 DEBUG_FILE_SAVE
True
: ダウンロードした画像データを開発環境の/tmp
ディレクトリに保存します。一般に、開発環境からは Harvest Files にアップロードできないため、True
に設定してください。サンプルアルゴリズムのディレクトリに移動します。
$ cd CameraApp0
サンプルアルゴリズムを実行します。
$ ./CameraApp0
/tmp
ディレクトリに定期的にカメラ画像が保存されます。例:
/tmp/cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T10-02-43-552962.webp
- S+ Camera シリーズ からは非圧縮データがダウンロードされ、開発環境で WebP 形式に変換されています。そのため、非圧縮データのダウンロードに関して、データ通信料が発生します。一方、アルゴリズムを S+ Camera シリーズ にインストールした場合は、S+ Camera シリーズ で WebP 形式に変換されるため、WebP 形式データのアップロードに関して、データ通信量が発生します。
- 開発環境で IoT SIM を利用している場合は、Harvest Data/Files にもデータがアップロードされます。
画像が保存されていることを確認します。
$ ls /tmp | grep cap.*\.webp
cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T09-59-09-781983.webp cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T09-59-52-122476.webp cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T10-00-35-289352.webp cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T10-01-17-435684.webp cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T10-01-59-941113.webp cap_zzzzzzzzzz_2021-12-17T10-02-43-552962.webp
Ctrl+C キーを押して、サンプルアルゴリズムを終了します。
独自のアルゴリズムをエッジコンピューターにインストールする
開発したアルゴリズム (CameraApp0
) を S+ Camera シリーズ にインストールします。
Mosaic コンソール にアクセスし、エッジコンピューターのデバイス ID をメモします。
デプロイツールのディレクトリ (
deploy
ディレクトリ) に移動します。$ cd ~/deploy
インストールします。
$ ./mosaic_deploy.sh -d {デバイス ID} {開発したアルゴリズムのフルパス}
例:
$ ./mosaic_deploy.sh -d d-xxxxxxxxxxxxxxxxxxxx ~/deploy/CameraApp0
: Show PkgName. PkgName="CameraApp Sample" Show PkgVersion PkgVersion="1.0.0" Restart InventoryAgent
独自アルゴリズムが S+ Camera シリーズ と Harvest Files (
/SORACOM-Mosaic/CameraApp0/
) にインストールされ、最後に上記のように表示されます。デバイス ID は、
d-
で始まる ID です。一方、15 桁の番号 (IMEI) で始まる ID (例:123456789012345_DN0123456789012
) は、MOSAIC ID です。ここでは、d-
ではじまる デバイス ID を指定します。Upload Package で終了した場合は
以下の表示で終了した場合は、SORACOM CLI の
default
プロファイルに登録された SAM ユーザーの権限が足りません。SAM ユーザーの権限を確認し、認証情報がdefault
プロファイルに登録されていることを確認してください。: Upload Package.
ファイルサイズが大きすぎる場合は
ファイルサイズが大きいためにアルゴリズムのインストールに 10 分以上かかる場合は、S+ Camera シリーズ に設定されているタイムアウトによって、アルゴリズムのインストールに失敗します。
一部のファイルを PreSetup スクリプトでダウンロードするなどして、アルゴリズムの tgz ファイルのサイズを小さくしてください。
Mosaic コンソール にアクセスし、独自のアルゴリズムをインストールするエッジコンピューターのデバイス ID をクリックします。
をクリックし、「現在のアルゴリズム」に「CameraApp Sample」と表示されていることを確認します。
この表示は、サンプルアルゴリズムが、S+ Camera シリーズ で動作していることを表しています。
次に、同じアルゴリズムが Harvest Files にもアップロードされていることを確認します。
→ の順にクリックします。
Harvest Files が表示されます。
→ → → アップロードした日時の順にクリックし、「CameraApp0.tgz」が表示されていることを確認します。
必要に応じて、ダウンロードしてください。次に、アルゴリズムが Harvest Files にアップロードした画像を確認します。
をクリックします。
→ → アルゴリズムが動作した年月日を順にクリックします。
必要に応じて、画像をダウンロードしてください。WebP 形式の画像データは、Chrome などのブラウザから確認できます。
あらためて Mosaic コンソール にアクセスし、エッジコンピューターのデバイス ID をクリックします。
→ → の順にクリックします。
Harvest Data が表示されます。
アルゴリズムの保存ディレクトリについて
インストールしたアルゴリズムは、S+ Camera シリーズ の以下の 2 つのディレクトリに保存されます。
/opt/soracom/container/container0/opt/soracom/bin/CameraApp0/
: 実行用パス。このパスのアルゴリズムが実行されます。/opt/soracom/bin/CameraApp0/
: バックアップ用パス。S+ Camera シリーズ が再起動したときなどに、実行用パスに保存されたファイルはいったん削除されますが、アルゴリズムが起動されるタイミングで、バックアップ用パスから実行用パスにコピーされます。
サンプルアルゴリズム動作時の料金について
Harvest Data/Files および Napter の利用には料金が発生します。
特に、Harvest Data/Files にデータを送信するサンプルアルゴリズムは、継続して料金が発生します。不要になった場合は、以下の設定を行って、料金がかからないようにすることをおすすめします。
SIM グループの Harvest Data/Files を無効化する、または SIM グループから IoT SIM を解除 (離脱) する。
SIM グループの設定は、ステップ 3: S+ Camera シリーズを Mosaic コンソールに登録する で行いました。このページを参考に、設定を解除したりオフにしたりしてください。
Tips
独自のアルゴリズムを開発する際に有用な情報を紹介します。
参考になるアルゴリズムについて
現在提供されているサンプルアルゴリズムについては アルゴリズム一覧 を参照してください。サンプルアルゴリズムをインストールする画面で をクリックすると、サンプルアルゴリズムをダウンロードできます。
また、以下のレシピも参考にしてください。
任意の Python モジュールを利用するには
S+ Camera シリーズ の Python の実行環境にインストールされていないモジュールを利用する場合は、独自アルゴリズムのアーカイブにモジュールを含めます。
具体的には、CameraApp0
が保存されているディレクトリで以下のコマンドを実行してください。
$ pip install {module name} -t ./
PreSetup でインストールすると起動に時間がかかります
PreSetup
で pip install {module name} -t ./
を実行してもモジュールをインストールできます。ただし、PreSetup
で実行すると、独自アルゴリズムが実行されたときに毎回モジュールがダウンロードされるため、独自アルゴリズムの起動に時間がかかったり、データ通信量が増えたりします。
開発環境 (PC) でカメラ画像をダウンロードするには
サンプルアルゴリズムのひな型では、定期的にカメラ画像 (静止画・非圧縮データ) をダウンロードしています。その方法でも開発環境にカメラ画像をダウンロードできますが、ここでは、アルゴリズムを実行せずに、カメラ画像 (静止画・WebP 形式データ) を取得する方法を説明します。
SORACOM Air for セルラーを利用して画像を取り込む方法では、SORACOM Napter の使用料と SORACOM Air for セルラーのデータ通信料が発生します。
- SORACOM Napter の利用料金が発生します。なお、毎月一定額の無料利用枠が設定されています。詳しくは、SORACOM Napter のご利用料金 を参照してください。
- SORACOM Air for セルラーを利用して画像を取り込むと、データ通信料が発生します。
WebP 形式データのほうがデータサイズが小さいため、データ通信料を抑えることができます。
S+ Camera シリーズが提供する API を外部から利用するためにリモートアクセスする場合 の操作に従って、API にリモートアクセスするための HTTP(s) URL (
https://xxx-xxx-xxx-xxx.napter.soracom.io:yyyyy
) を取得します。以下のコマンドを実行して、URL を変数に代入します。
${surplusRemoteAccessURL} には、リモートアクセスを有効にしたときに
に表示された URL を入力してください。$ surplusRemoteAccessURLforCameraSettings=${surplusRemoteAccessURL}
S+ Camera シリーズ のカメラの撮影を有効化します。
$ curl -X GET ${surplusRemoteAccessURLforCameraSettings}/mosaic/v1/DeviceInterface/startCameraCapture
S+ Camera シリーズ からカメラ画像 (静止画・WebP 形式データ) を取得します。
$ curl -X GET ${surplusRemoteAccessURLforCameraSettings}/mosaic/v1/DeviceInterface/cameraWebpImage?quality=85 --output image.webp
カメラ画像 (静止画・WebP 形式データ) がダウンロードされ、
image.webp
として保存されます。S+ Camera シリーズ のカメラの撮影を無効化します。
$ curl -X GET ${surplusRemoteAccessURLforCameraSettings}/mosaic/v1/DeviceInterface/startCameraCapture
カメラ画像 (動画) にも対応しています
API を利用すると、S+ Camera シリーズ で動画を撮影したり、カメラの状態および設定を取得したりできます。詳しくは、S+ Camera シリーズが提供する API を参照してください。
パラメータを渡すには
Mosaic コンソールの
で、アルゴリズムに渡すパラメータ (最大 255 文字) を指定できます。ここで指定した値は、アルゴリズムを起動するタイミングで、S+ Camera シリーズ の環境変数に反映されます。例:
パラメータ | 説明 |
---|---|
SORACOM_ENV_FREE_PARAM | JSON を指定します。
各値がどのように扱われるかは、サンプルアルゴリズムのソースコードを参照してください。 |
アルゴリズムからパラメータを取得するには、以下のように環境変数を取得します。
FREE_PARAM = os.getenv('SORACOM_ENV_FREE_PARAM', {})
FREE_PARAM_OBJECT = json.loads(FREE_PARAM)
UPLOAD_TIME_LIMIT_JST_BEGIN = FREE_PARAM_OBJECT.get('upload_begin_time', 0)
UPLOAD_TIME_LIMIT_JST_END = FREE_PARAM_OBJECT.get('upload_end_time', 24)
ログを出力するには
S+ Camera シリーズ 内部の /tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0
にファイルを作成すると、次回アルゴリズム起動時から /tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0.log
にログが出力されます。
/tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0
にファイルを作成して、アルゴリズムだけを再起動する手順は以下のとおりです。
SSH で S+ Camera シリーズにリモートアクセスする場合 の手順に従って、S+ Camera シリーズ に SSH ログインします。
以下のコマンドを実行します。
$ touch /tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0 $ sudo systemctl restart soracom-inventoryagent.service $ touch /tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0.log $ tail -f /tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0.log
/tmp/io.soracom.mosaic.debug.CameraApp0
は S+ Camera シリーズ を再起動するたびに作成してください。ファイルに出力される最大出力サイズは 10 MiB です。- アルゴリズムが出力するログの量が、1 分間あたり 512 KB を超えると、エッジコンピューターのオンライン状態の確認に影響を与える場合や、アルゴリズムが正しく動作しない場合があります。
Mosaic コンソールからログをダウンロードする手順について詳しくは、ログをダウンロードする を参照してください。
アルゴリズムだけ再起動するには
Mosaic コンソールからアルゴリズムだけを再起動できます。
Mosaic コンソール にアクセスし、アルゴリズムを再起動するエッジコンピューターのデバイス ID をクリックします。
→ → の順にクリックします。
SSH でアクセスしている場合
S+ Camera シリーズ に SSH でアクセスしている場合は、以下のコマンドを実行すると、アルゴリズムだけを再起動できます。
$ sudo systemctl restart soracom-inventoryagent
SSH でアクセスしてアルゴリズムを削除する
アルゴリズムをインストール後、IoT SIM はオンラインなのに、デバイスがオフラインになってしまった場合は、S+ Camera シリーズ に SSH でアクセスして、アルゴリズムを削除してください。
SSH で S+ Camera シリーズにリモートアクセスする場合 の手順に従って、S+ Camera シリーズ に SSH ログインします。
以下のコマンドを実行します。
sudo systemctl stop soracom-inventoryagent sudo rm /opt/soracom/data/InventoryAgent/CameraApp0_custom_oma.md5 sudo rm /opt/soracom/data/InventoryAgent/CameraApp0_custom_oma_params.json sudo rm /opt/soracom/data/InventoryAgent/state.json sudo rm -r /opt/soracom/bin/CameraApp0/