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Home スタートガイド IoT デザインパターン PLCの遠隔監視 (遠隔保守・可視化・制御) を実現する PLC 遠隔監視 (遠隔保守・可視化・制御) 構成パターン

3. 特化型 IoT ゲートウェイ - 自社システムパターン

「生産設備や自社製品事業インフラの DX」を合言葉に、生産性の向上や新たな価値提供をゴールとして各設備の稼働データなどを IoT システムを通じて自社で運用するデータ分析基盤に統合するパターンです。このパターンでは、「特化型 IoT ゲートウェイを利用する」ことと「自社データセンターやクラウドに分析基盤を構築する」ことが大きなポイントです。

支援が必要な場合は SORACOM のセールスチームにご相談ください

このパターンについて不明な点については、SORACOM の セールスチーム にお問い合わせください。特に、以下の内容についてのご相談を承ります。お気軽にお問い合わせください。

「特化型 IoT ゲートウェイ - 自社システムパターン」の特徴

特化型 IoT ゲートウェイを利用して、「工場などの現場の PLC や産業機器」の稼働データを収集し、任意のサーバー (自社デーセンターやクラウド) で稼働データを可視化・監視・分析できます。そのため、以下のようなシナリオが実現できます。

  • 工場などの現場の DX を狙い、生産性向上のために生産ラインの稼働データを分析する。
  • DX / IoT 化による新たな価値を提供するために、ユーザーに納品した自社製品の稼働データを分析する。
  • (PLC だけでなく) 汎用機器や Modbus (シリアル通信プロトコル) 機器、各種計測器のデータ収集に対応する。
  • 収集するデータの設定や転送先の設定を、DX の担当者がグラフィカルな設定画面で行う。
特化型 IoT ゲートウェイの仕様を確認してください

特化型 IoT ゲートウェイによっては、上記の特徴を持たない場合があります。特化型 IoT ゲートウェイの仕様を確認し、システム全体の要件にあわせて、特化型 IoT ゲートウェイを選定してください。

システム構成イメージ

必要なモノと主な設定

工場などの現場:

特化型 IoT デバイスと PLC を接続します。

必要なモノ主な設定
特化型 IoT ゲートウェイ

特化型 IoT ゲートウェイのガイドに従って、取り付けや、主な機能 (下記) に対する初期設定を行います。多くの特化型 IoT ゲートウェイでは、グラフィカルな設定画面が用意されています。

  • 産業機器のデータを収集する。
  • ネットワークに安全に接続する。
  • 定期的にクラウドにデータを転送する。

SORACOM:

IoT SIM の契約や、SORACOM Beam などのデータ転送サービスの設定を行います。

必要なモノ主な設定
IoT SIM

SORACOM Air の IoT SIM を利用する場合は、SORACOM ユーザーコンソールで IoT SIM を購入して登録します。

SORACOM Beam / Funnel / Funk などのデータ転送サービス

データ転送サービスの初期設定を行います。

適切なデータ転送サービスを選択してください

SORACOM には Beam 以外にも、Funk、Funnel と呼ばれるデータ転送サービスがあります。データ転送サービスの選びかたについて詳しくは、以下のページを参照してください。

自社データセンターやクラウド:

データ収集基盤、可視化や分析基盤の構築、運用保守を行います。

必要なモノ主な設定
データ収集基盤

データ収集基盤 (SORACOM Beam / Funnel / Funk などの転送先サービス) を準備します。

たとえば、転送先サービスでのエントリポイントの準備や、認証情報の取得が必要です。

可視化や分析基盤収集したデータの可視化や分析を行うためのシステムを準備します。

事業所などの遠隔地:

遠隔監視する際は、インターネットに接続可能な端末で、自社データセンターやクラウドに構築した Web サービスにブラウザでアクセスします。

必要なモノ主な設定
インターネット接続可能な端末 (PC など)Web サービスを利用するための初期設定などを行います。
自社内の情報システム部門に事前に確認してください
  • 「事業所などの遠隔地の PC」から、PLC エンジニアリングソフトウェアで「工場などの現場の PLC」の設定 (ラダーなど) を確認・変更できることを確認します。

    基本的には自社データセンターやクラウドに構築したシステムを利用するが、PLC エンジニアリングソフトウェアで「工場などの現場の PLC」の設定 (ラダーなど) を確認・変更する (PLC に直接アクセスする) ような使いかたも想定される場合は、そのような使いかたができることを、自社内の情報システム部門や関係ベンダーに確認します。

    たとえば、1. そのままリモート接続パターン のような使いかたも想定される場合は、パターンを併用できることを確認してください。

高頻度のデータ送信が必要かどうか慎重に検討してください

モバイルネットワークは共有資源です。 モバイル通信事業者が定めるガイドラインでは、共有資源を効率的に利用するために、転送するデータの頻度とデータサイズを減らし、データ転送にかかる時間を削減することを要求しています。

たとえば、毎秒単位や、さらに細かなミリ/マイクロ秒単位でデータを収集する設備であっても、IoT システムとして取得すべきデータの粒度や頻度は十分に検討する必要があります。

また、ネットワークの利用料金やクラウドの利用料金を抑えるためにも、特化型 IoT ゲートウェイの通信仕様を正しく把握し、転送するデータの頻度とデータサイズを検討してください。

システムの妥当性を検証するために PoC の実施を検討してください

デバイス、ネットワーク、クラウドのすべてを自社で管理するこのパターンでは、システム構成の自由度が高い分、プロジェクト初期からシステム構成や要件を洗い出すことが困難になりがちです。

ビジネス要求や技術面、運用面、コスト面を評価するために、本番稼働システムの計画を立てる前に、PoC (優先すべき最小の機能を持つプロトタイプ開発) の実施を検討してください。PoC を実施することで、デバイス、ネットワーク、クラウドの要件が明確になることが期待できます。逆に、PoC を実施することなく (要件が明確になる前に) 本番稼働システムの計画を立てても、システムの構成や見積もりの妥当性が判断できず、予算計上の時点で難航する ことが多いようです。

また、自社で初めて取り組む IoT プロジェクトの場合や、社内にシステム構築のノウハウが少ない場合は、専門性の高い第三者と共創する 観点が重要です。関係者間でシステムの評価項目を合意し、それをもとに PoC を作成して、本番稼働システムの実現性や妥当性を評価すると良いでしょう

PoC や初期構築段階をスピードアップするには

PoC フェーズや IoT システムの初期構築段階で、自社データセンターやクラウドのシステム構築に時間がかかる場合は、(データの蓄積や可視化、分析が可能な) 一時的なシステムにデータを転送することで、早期のフィールドテストを開始できます。