ビーコン対応 GPS トラッカー GW (以下、ビーコン GW) の位置情報を定期的に送信し、SORACOM Harvest Data で保存・可視化する方法を説明します。
操作を始める前に準備が必要です (クリックして確認してください)
(1) ビーコン対応 GPS トラッカー GW を準備する
ビーコン対応 GPS トラッカー GW スターターキット は、1 個から購入できます。
(2) LTE-M 通信に対応した特定地域向け IoT SIM を準備する
plan-D (ナノサイズ) または plan-KM1 (ナノサイズ) を準備してください。なお、以下の製品には、SORACOM 特定地域向け IoT SIM カード plan-D D-300MB (ナノサイズ) が付属しています。
上記以外の特定地域向け IoT SIM (plan-K、plan-DU) や、SORACOM IoT SIM (plan01s、planX3 など) は、利用できません。
(3) Windows PC を準備する
ドライバー、キッティングツールは Windows 専用です。
準備完了ステップ 1: ビーコン GW をセットアップする
以下のドキュメントを参照して、ビーコン GW をセットアップしてください。
ステップ 2: キッティングツールで設定する
データ送信の設定
キッティングツールを起動し、[共通項目] を以下のように設定します。各設定項目の詳細は リファレンス: キッティングツール を参照してください。
項目 | 値 |
---|---|
Step1 利用モード | ゲートウェイモード (時間指定) |
利用時間 1 | 任意の時間 (例では 8:00 ~ 20:00) |
Step2 クラウドへの送信項目 | 位置情報を送信する |
送信間隔 | 任意の間隔 (例では 180 秒) |
バイナリパーサーのフォーマットのコピー
クラウドの送信データフォーマットを表示し、コピーしてテキストエディタなどに控えてください。後続のステップで利用します。
ステップ 3: SORACOM Orbit を準備する
SORACOM Orbit とは、デバイスから送信されたデータを SORACOM プラットフォーム内で加工するサービスです。ビーコン対応 GPS トラッカー GW から送信されたデータを、後続のステップで扱いやすいよう加工するのに利用します。
プログラムのダウンロード
こちらの リンク より最新版の .wasm ファイルをダウンロードしてください。プログラムの詳細は ビーコン対応 GPS トラッカー GW : SORACOM Orbit を使用したフォーマットの変換 に記載されています。
Soralet の作成/WASM モジュールのアップロード
SORACOM Orbit で使用する WASM モジュールをアップロードするために、その入れ物である Soralet (ソラレット) を作成します。
ユーザーコンソールにログインし、
→ → の順にクリックして Soralet 管理画面を開きます。
次に
を押し、Soralet の作成ダイアログを開きます。
Soralet ID に beacon-gw-soralet と入力し、
をクリックします。
Soralet 管理画面に作成した Soralet が表示されていることを確認し、作成した Soralet をクリックし、WASM の管理画面を開きます。
WASM の管理画面にて
をクリックし、アップロード用のダイアログを開きます。
ダイアログから先ほどダウンロードした WASM ファイル (soralet-beacon-gps-tracker.wasm) を選択し、アップロードをクリックします。
アップロードが完了すると WASM 管理画面にアップロードした WASM の SRN が表示されます。
ステップ 4: SORACOM グループ を設定する
デバイスから送信されたデータをフォーマットし、SORACOM プラットフォームへ格納するためのグループ設定をします。
グループの設定
まずはビーコン GW の SIM をグループへ所属させます。ユーザーコンソールの SIM 管理画面 より対象の SIM を選択し [操作] > [所属グループ変更] を選択します。
設定したいグループを新規に作成するか、既存のグループを選択し[グループ変更] をクリックします。
グループを変更できたら、グループ名をクリックして設定します。
バイナリパーサーの設定
ビーコン GW からはデータ通信量削減および省電力のため、バイナリ形式でデータが送信されます。読みやすい JSON フォーマットに変換するため、バイナリパーサーを設定します。
には、先ほどキッティングツールでコピーしたフォーマットを入力します。
SORACOM Harvest Data の有効化
データを格納するため、SORACOM Harvest Data を有効化 します。
SORACOM Orbit の設定
設定を ON にし、CODE SRN 右側の歯車アイコンをクリックします。
SORALET に beacon-gw-soralet、SORALET VERSION に LATEST を指定します。
DIRECTION の uplink にチェックを入れ、[保存] をクリックします。
ステップ 5: 送信されたデータを確認する
設定情報をビーコン GW へダウンロード
キッティングツールの「端末へダウンロード」より、設定情報をビーコン GW へダウンロードします。
データの送信
GNSS を受信できる屋外などに移動し、データを送信します。
屋内など GNSS (GPS/GLONASS/みちびき) 衛星を捕捉しにくい環境では、位置情報の精度が悪くなる場合や、位置情報を取得できない場合があります。GNSS の捕捉に時間がかかる場合は、データの送信に遅れが生じる場合があります。また GNSS を捕捉できず位置情報を得られない場合は、データは送信されません。
データの確認
SORACOM ユーザーコンソールの SIM 一覧画面よりビーコン GW の SIM を選択し [操作] > [データを確認] を選択します。
マップピンアイコンを選択して地図表示にし、位置情報が取得できていることを確認します。「自動更新」を有効にすることで、SORACOM へのデータ送信に応じて更新されます。
画面下部へスクロールすると、以下のようなデータが送信されていることが確認できます。データの種類は、送信されるデータフォーマット を参照してください。
{
"type": 1,
"loc_data": "07414200",
"lat": 35.68095910695999,
"lon": 139.76730676352222,
"major_axis": 176,
"minor_axis": 41,
"bat": 3,
"timestamp": "002816414123"
}
次のステップ
ビーコン GW は Unified Endpoint へデータを送信しているため、Harvest Data 以外に Beam、Funnel、Funk も利用できます。また、Harvest Data に保存したデータを Lagoon 3 を使用して可視化できます。
ビーコン GW は位置情報のほかに BLE センサーから受信したデータも送信できます。手順は ビーコン対応 GPS トラッカー GW で BLE センサー情報を送信する を参照してください。