SORACOM Lagoon で高度に可視化する
当ガイドでは、GPS マルチユニット SORACOM Edition から送信されたデータを SORACOM Lagoon (以下、Lagoon) で可視化する方法を説明します。SORACOM Lagoon ではよりカスタマイズされた可視化を実現でき、テンプレートのインポート機能もあります。当ドキュメントでは以下の画像のようなダッシュボードが作成できます。
当ガイドの前提は以下のとおりです。
- SORACOM のアカウントを作成済みであること (これから作成される方は SORACOM アカウントの登録 をご参照ください)
- GPS マルチユニット SORACOM Edition をお持ちであること (購入は SORACOM IoT ストアなどから 1 個から可能です。)
- SORACOM の LTE-M 通信に対応した特定地域向け IoT SIM ( plan-D/ plan-KM1、nano サイズ)をお持ちであること ( GPS マルチユニット SORACOM Edition (バッテリー内蔵タイプ)スターターキットは plan-D nano サイズとセットで販売しております)
- SORACOM Lagoon をまだ有効化していない、もしくは ダッシュボード数の上限 に達していないこと (上限に達している場合は不要なダッシュボードを削除するか、プランをアップグレードしてください)
ステップ 1: SORACOM Lagoon を有効化する
SORACOM のユーザーコンソールにルートアカウントでログインし、サイドメニューの「データ収集・蓄積・可視化」>「SORACOM Lagoon」メニューをクリックします。
Lagoon を有効化する
「SORACOM Lagoon の利用を開始する」ボタンをクリックします。
パスワードを設定します。 このパスワードは SORACOM コンソールのルートアカウントのメールアドレスで Lagoon へログインする時に必要なパスワードとなります。
Lagoon へログインする
「SORACOM Lagoon にアクセス」ボタンをクリックします。
ルートアカウントのメールアドレスと先ほど設定したパスワードを入力しログインします。
以下のような画面が表示されていれば Lagoon の有効化・ログインは成功です。
ステップ 2: GPS マルチユニットを設定する
SORACOM Lagoon では SORACOM Harvest Data に格納されたデータをソースに可視化します。まだ SORACOM Harvest Data を設定していない場合は GPS マルチユニット SORACOM Edition と SORACOM Harvest Data で簡単に可視化するにしたがって、GPS マルチユニットのデータを SORACOM Harvest Data へ格納してください。すでに実施済みの場合は、ステップ 3 に進んでください。
ステップ 3: SORACOM Lagoon のダッシュボード作成を準備する
利用している GPS マルチユニットのデータを可視化するため、ダッシュボードを準備します。
可視化する GPS マルチユニットの IMSI を控える
ユーザーコンソールの GPS マルチユニットメニュー (コンソール左上 Menu → ガジェット管理 → GPS マルチユニット)をクリックします。
以下のように GPS マルチユニット画面が表示されます。可視化したい GPS マルチユニットの IMSI をテキストエディタなどに控えてください。ダッシュボードの作成に利用します。
サンプルダッシュボードを利用する
Lagoon では JSON 形式で記述されたモデルをインポートできます。全てのパネルを自身で作成することも可能ですが、作成したいイメージに近いサンプルダッシュボードをインポートできれば作成の時間を短縮でき、その後カスタマイズできます。
ここでは、インポートのためのテンプレートを作成します。 GPS マルチユニットのサンプルダッシュボードを開き、「このダッシュボードを使う」をクリックします。当ページでは、SIM の IMSI をもとに Lagoon ダッシュボードのテンプレートを作成します。
先ほど控えた IMSI を入力し、「テンプレートを作成する」をクリックします。
これでテンプレートを作成できました。次のステップでダウンロードします。
ステップ 4: SORACOM Lagoon のダッシュボードを作成する
先ほど生成したテンプレートのダウンロード画面では「クリップボードへコピー」、「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックしてください。なお、今後のために保存しておきたい場合は「JSON ファイルとしてダウンロード」利用してください。
「SORACOM Lagoon でインポート」をクリックすると、Lagoon のインポート画面に遷移します。「Or paste JSON」にて先ほどクリップボードにコピーした JSON を貼り付けてください。Windows の場合は Ctrl + V
、Mac OS の場合は ⌘ (Command) + V
で貼り付けできます。
インポートの詳細画面に遷移するので、「Import」をクリックします。
インポートに成功すれば、ダッシュボードが表示されます。
応用: 今後のステップ
ここまでで、カスタマイズされた可視化を実現できました。今後さらに Lagoon を活用する方法を紹介します。
パネルを追加・カスタマイズする
当ドキュメントではダッシュボード設定をインポートしましたが、Lagoon ではコードを書くことなくパネルの追加やカスタマイズができます。詳細な方法は Lagoon ドキュメント のパネルリファレンスを参照してください。また、 参考: サンプルダッシュボードで使用しているパネルの解説を参照してサンプルダッシュボードで使われているパネルがどのように設定されているか参考にしてください。
アラートを設定する
Lagoon では閾値に応じてアラートを送信できます。たとえば温度が 30℃ を超えたらメールを送信するといったアラートを設定できます。詳細は SORACOM Lagoon を利用してアラートを設定する や SORACOM Lagoon のアラートをカスタマイズする を参照してください。
ダッシュボードを共有する
Lagoon のダッシュボードは PC に限らずタブレット端末などでもブラウザ上で閲覧できます。また、Maker 以上のプランにアップグレードすると、閲覧専用のユーザーも作成できます。詳細は Getting started with SORACOM Lagoon - ダッシュボードを共有する を参照してください。
参考: サンプルダッシュボードで使用しているパネルの解説
各パネルについて解説します。なお、メトリックとは温度や湿度などの値を指します。
電波強度・バッテリー残量 : Singlestat (シングルスタット)
設定方法は パネルリファレンス: シングルスタットパネル も参照してください。
オプション タブ (画像はバッテリー残量の例)
- 色 では電波強度もバッテリー残量もしきい値に応じた色を設定し、高い値では明るい黄色、低い値では暗い黄色にしています。
値
を有効にすることで、ゲージもここで設定した色に対応します。 - スパークライン の
表示
を有効にすることで、メトリックの履歴を可視化できます。 - ゲージ の
表示
を有効にすることで、メトリックの高低を分かりやすく可視化できます。最小値
、最大値
は記載された ペイロード の範囲に沿って設定しています。
値のマッピング タブ (画像はバッテリー残量の例)
- タイプ に
値をテキストにマッピング
を指定して、メトリックの各数字を意味にマッピングしています。メトリックの各数字が固有の意味を持つ場合に有効です。
現在の表・裏の向き : Dynamic Image
設定方法は SORACOM Dynamic Image Panel も参照してください。
z-800.png
,z-0.png
z--800.png
の 3 ファイルをクラウドストレージ上に配置して表裏を判定できるようにしています。z-0.png
は表裏が不明な時に用いられます。- モードは
Dynamic
に設定し、メトリックに応じて画像が変更されるようにしています。 - 背景画像の URL では、クラウドストレージ上のパスおよびファイルの拡張子を設定しています。
- 縦横比を保つ を有効にしています。
- メトリックでは、最小値・間隔・最大値を
-800
・1600
・800
と設定しています。これにより、メトリックが -800 より小さい場合はz--800.png
(表向き)、-800 と 800 の間の場合はz-0.png
(向きが不明)、800 より大きい場合はz-800.png
(裏向き) と画像が変化します。
温度・湿度 : Graph (グラフ)
設定方法は パネルリファレンス: グラフパネル も参照してください。
軸 タブ
- 右 Y の
表示
を有効にして、2 軸グラフにしています。左 Y の単位をCelsius (℃)
(摂氏温度)、右 Y の単位をHumidity (%H)
(湿度) にしています。 - 左右の Y 軸について最小・最大それぞれの値を ペイロード の範囲に沿って設定しています。
表示 タブ
- 系列固有のオーバーライドを設定しています。
- humi (湿度) を
Y-axis: 2
と設定して 2 軸グラフにしています。 - humi, temp (温度) の
Color
を設定して各メトリックの折れ線グラフに色を付けています。
- humi (湿度) を
データの履歴 : Table (テーブル)
当サンプルダッシュボードではテーブルパネルをカスタマイズしていません。カスタマイズしたい場合は パネルリファレンス: テーブルパネル参照してください。
デバイスの位置 : SORACOM Map
設定方法は パネルリファレンス: SORACOM Map パネル も参照してください。
マップ表示オプション タブ
- マッププロバイダーを
OpenStreetMap
にしています。 - 円のサイズの最大値を
7
としています。地図の縮尺によって適切なサイズが異なります。
マップ表示オプション - クエリ A オプション
- 軌跡を表示 と アニメーション を有効にして、移動している様子を可視化しています。
各パネル設定の解説 : Text (テキスト)
設定方法は パネルリファレンス: テキストパネル も参照してください。
Options タブ
- Mode に
html
を指定して、Content に当ドキュメントへのリンクを記載しています。