Soracom Onyx - LTE™ USB ドングル (以下、USB ドングル) は Quectel EG25-G を通信モジュールとして使用しています。Linux カーネル 2.6 以上では、Linux にドライバーが付属しているため、ドライバーのインストールは不要です。ただし、セルラー通信を行うために追加パッケージのインストールと設定が必要です。
また、Debian 12 (bookworm) 以降、およびそれをベースにした Raspberry Pi OS では、NetworkManager を使用することを推奨します。ここでは、Linux に追加パッケージをインストールし、3G / 4G 接続に利用する PPP (Point-to-Point Protocol) の設定を行うスクリプト setup_eg25.sh
を利用する手順を説明します。
setup_eg25.sh
をダウンロードするために、有線 LAN などでインターネットに接続する必要があります。
Raspberry Pi がインターネットに接続できていることを確認します。
IoT SIM を挿入した USB ドングルを Raspberry Pi の USB ポートに差し込みます。
USB ドングルの LED が点滅します。
USB ドングルが Raspberry Pi にシリアルポートとして認識されていることを確認します。
$ ls /dev/ttyUSB*
/dev/ttyUSB0 /dev/ttyUSB1 /dev/ttyUSB2 /dev/ttyUSB3
USB ドングルが認識されない場合
以下のようなメッセージが表示され USB ドングルが認識されていないときは、USB ドングルを Raspberry Pi から一度取り外して、手順 2 からやり直してください。もしくは、Raspberry Pi を再起動してください。
ls: cannot access '/dev/ttyUSB*': No such file or directory
setup_eg25.sh
をダウンロードします。$ sudo curl -O https://soracom-files.s3.amazonaws.com/connect/setup_eg25.sh
curl
コマンドのオプションは数字のゼロ (0
) ではなくアルファベットのオー (O
) です。setup_eg25.sh
を実行します。plan-DU の IoT SIM を利用している場合は、コマンドが異なります。
$ sudo chmod +x setup_eg25.sh $ sudo ./setup_eg25.sh du.soracom.io # plan-DU をご利用の場合 $ sudo ./setup_eg25.sh # それ以外の IoT SIM をご利用の場合
--- Configuring wlan0... Adding wlan0 to /etc/network/interfaces... Done! --- Installing required packages (this may take a few minutes)... Required packages already installed! --- Setting up modem... Please plug in your modem now: Modem detected! Waiting until the modem is ready (this may take a minute)... Done! --- Adding Soracom route rule... Soracom route rule created: /etc/NetworkManager/dispatcher.d/90.soracom_route --- Adding Soracom connection profile... Connection profile added: soracom Connection 'soracom' successfully deactivated (D-Bus active path: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/3) Connection successfully activated (D-Bus active path: /org/freedesktop/NetworkManager/ActiveConnection/4) --- Setup complete! In a moment, your modem status light should change to solid blue or green, indicating that you are now successfully connected to Soracom! Tips: - When you reboot or plug in your modem, it will automatically connect. - When wifi is connected, the modem will be used only for Soracom services. - You can manually disconnect and reconnect the modem using: sudo nmcli con down soracom sudo nmcli con up soracom
以上で USB ドングルが初期化され Raspberry Pi が SORACOM 経由でインターネットに接続されるようになりました。OS 再起動時や USB ドングルを接続した際にも自動的に接続されます。
接続確認
USB ドングルを Raspberry Pi から取り外し、再度 USB ポートに差し込むと、セルラー通信が開始されます。
ifconfig ppp0
で、PPP が利用できることが確認できます。
$ ifconfig wwan0
wwan0: flags=4305<UP,POINTOPOINT,RUNNING,NOARP,MULTICAST> mtu 1500
inet 10.xxx.xxx.xxx netmask 255.255.255.248 destination 10.xxx.xxx.xxx
unspec 00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00-00 txqueuelen 1000 (UNSPEC)
RX packets 7 bytes 588 (588.0 B)
RX errors 0 dropped 0 overruns 0 frame 0
TX packets 11 bytes 700 (700.0 B)
TX errors 0 dropped 0 overruns 0 carrier 0 collisions 0
また、PING 応答サービスを利用すると、SORACOM に接続できていることが確認できます。
$ ping -c 4 pong.soracom.io
PING pong.soracom.io (100.127.100.127) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 100.127.100.127 (100.127.100.127): icmp_seq=1 ttl=64 time=334 ms
64 bytes from 100.127.100.127 (100.127.100.127): icmp_seq=2 ttl=64 time=262 ms
64 bytes from 100.127.100.127 (100.127.100.127): icmp_seq=3 ttl=64 time=269 ms
64 bytes from 100.127.100.127 (100.127.100.127): icmp_seq=4 ttl=64 time=268 ms
--- pong.soracom.io ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3003ms
rtt min/avg/max/mdev = 261.926/283.284/334.325/29.594 ms
setup_eg25.sh を実行しても SORACOM に接続できない場合
以下の操作を行い、SORACOM に接続できることを確認してください。
- Raspberry Pi を再起動します。たとえば、
sudo reboot -h now
を実行します。 - IoT SIM が正しく挿入されていることを確認します。正しく挿入されていない場合は、SORACOM に接続できません。
- LAN ケーブルを抜く、または Wi-Fi を無効にします。LAN ケーブルや Wi-Fi による接続が優先されていると、SORACOM に接続できません。